組織・人材育成
自分の中にある「偏り」に気付くと組織運用が上手くいく
「思考の偏り」に気が付き言動が変わった事例
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
冬らしさを感じる季節となってきましたね。感染症対策を講じながら、日々の業務改善に試行錯誤されていることとお察しいたします。
今回は院長先生がご自身の「思考の偏り」に気が付き言動が変わった事例から、より良い組織の在り方を考えましょう。
今回は院長先生がご自身の「思考の偏り」に気が付き言動が変わった事例から、より良い組織の在り方を考えましょう。
ケース:
「私は男性なので、女性の気持ちが分からないんです」と語るのは大都市に近い住宅街にあるクリニックA院長。A院長は40代に突入したばかりの男性で、クリニックを開院して2年目です。このクリニックのスタッフは15名程で全員が女性。2年目ではあるものの、度々組織のメンバーが入れ替わっており、A院長は「女性特有の考えや感じ方ってあるじゃないですか。女性独特の感情とか共感とか私はイマイチ分からないので、そういう部分を上村さんにフォローしてもらいたいんです」との要望でご連絡がありました。
私からは「男性性、女性性を否定する訳ではありませんが、私はジェンダーを特別視した組織運用のお手伝いというよりも、個別性を重視しています。個を尊重し、院長先生とスタッフ皆さまが幸せになれる組織づくりが出来るようお手伝いいたします」とお伝えしました。
よくよくお話を伺うと、「可能な限り女性スタッフとコミュニケーションを取りたくない」という気持ちは固いようで、定期的なスタッフとのミーティングは無し。必要事項は適宜院長先生がスタッフに声を掛けたり印刷物を配ることで周知。医師が行う診察以外の業務に関してはほぼスタッフに任せている状態でした。
女性スタッフとのコミュニケーションを避けていても、より良い組織づくりは行っていきたいというA院長と話し合いの末、クリニックで全体研修を行うことになりました。どういう職場で働きたいか、どのようなクリニックを目指していきたいか、医療従事者としての働き甲斐について院長先生含めたスタッフ全体でお話しいただくと大盛り上がり!この様子に院長先生も非常に満足されている様子でした。
研修が終了し、開院当初から勤務し続けているスタッフBさんがボソッと漏らした一言があります。
Bさん
「私、院長先生とたくさん話が出来て良かった!楽しかった!もっと話がしたいです!」
周りのスタッフも笑顔でうなずいている様子に、院長先生は驚いた表情になったのでした。
A 院長
「Bさんの一言に私はハッとさせられました。スタッフは私と話をしたかったのですね。私は、話下手な私と話をしても女性スタッフは面白くないし苦痛だろうと思っていました。『女性はこうだ』と決めつけることで、自分のコミュニケーシの不得意さを相手のせいにしていたのだと気が付きました。スタッフから『楽しかった、もっと先生と話がしたい』と言われると、こんなに嬉しい気持ちになるのですね。女性に対する偏見が全く無くなったということでは無いと思いますが、スタッフを偏見の対象として見るのではなく、大切なスタッフのひとりとして向き合いたいと思います。分かってはいたのですが…スタッフとの関係性はコミュニケーシの質と量が大切なのですね」
スタッフに歩み寄ることに決めたA 院長は、まずは日々の業務の中で「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるようと決めたのでした。
このケース、どういう感想を持ちましたか?
自と他は異なるということは当たり前のことですが、特定の集団に対する偏った捉え方や過去の経験から派生するイメージに固執してしまうといった思い込みは、誰しも多少なりともあるものです。偏った考え方が悪なのではなく、相手を評価する際に自分のものさしで相手をみていないかどうか、相手の言動を独自の解釈で理解しようとしていないか意識することが大切だと思います。そのためには、自分がどのような考えをしがちなのかを知る必要があります。
例えば、評価の低いスタッフに話しかけたのに返事が無かった場合、「聞こえていたのに意図的に無視された」「やっぱりあの人は評価が低い」と認識する前に、「聞こえていなかったかも知れない」「何か考え事があったのかも知れない」という風に色々な考え方をすることで相手に対する見方が変わってくるものです。どんなに自分の中の相手の印象が悪くても、本当にどう考えているのかという答えは相手の中にあります。組織をけん引していく院長先生をはじめとしたリーダー層の皆さまの大切な役割は、スタッフの能力・やる気を引き出し、組織運営にプラスにさせることです。そのために必要な良好な対話の鍵となる「自分自身の偏見」に向き合ってみませんか?
【2022. 12. 15 Vol.558 医業情報ダイジェスト】
私からは「男性性、女性性を否定する訳ではありませんが、私はジェンダーを特別視した組織運用のお手伝いというよりも、個別性を重視しています。個を尊重し、院長先生とスタッフ皆さまが幸せになれる組織づくりが出来るようお手伝いいたします」とお伝えしました。
よくよくお話を伺うと、「可能な限り女性スタッフとコミュニケーションを取りたくない」という気持ちは固いようで、定期的なスタッフとのミーティングは無し。必要事項は適宜院長先生がスタッフに声を掛けたり印刷物を配ることで周知。医師が行う診察以外の業務に関してはほぼスタッフに任せている状態でした。
女性スタッフとのコミュニケーションを避けていても、より良い組織づくりは行っていきたいというA院長と話し合いの末、クリニックで全体研修を行うことになりました。どういう職場で働きたいか、どのようなクリニックを目指していきたいか、医療従事者としての働き甲斐について院長先生含めたスタッフ全体でお話しいただくと大盛り上がり!この様子に院長先生も非常に満足されている様子でした。
研修が終了し、開院当初から勤務し続けているスタッフBさんがボソッと漏らした一言があります。
Bさん
「私、院長先生とたくさん話が出来て良かった!楽しかった!もっと話がしたいです!」
周りのスタッフも笑顔でうなずいている様子に、院長先生は驚いた表情になったのでした。
A 院長
「Bさんの一言に私はハッとさせられました。スタッフは私と話をしたかったのですね。私は、話下手な私と話をしても女性スタッフは面白くないし苦痛だろうと思っていました。『女性はこうだ』と決めつけることで、自分のコミュニケーシの不得意さを相手のせいにしていたのだと気が付きました。スタッフから『楽しかった、もっと先生と話がしたい』と言われると、こんなに嬉しい気持ちになるのですね。女性に対する偏見が全く無くなったということでは無いと思いますが、スタッフを偏見の対象として見るのではなく、大切なスタッフのひとりとして向き合いたいと思います。分かってはいたのですが…スタッフとの関係性はコミュニケーシの質と量が大切なのですね」
スタッフに歩み寄ることに決めたA 院長は、まずは日々の業務の中で「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるようと決めたのでした。
このケース、どういう感想を持ちましたか?
自と他は異なるということは当たり前のことですが、特定の集団に対する偏った捉え方や過去の経験から派生するイメージに固執してしまうといった思い込みは、誰しも多少なりともあるものです。偏った考え方が悪なのではなく、相手を評価する際に自分のものさしで相手をみていないかどうか、相手の言動を独自の解釈で理解しようとしていないか意識することが大切だと思います。そのためには、自分がどのような考えをしがちなのかを知る必要があります。
例えば、評価の低いスタッフに話しかけたのに返事が無かった場合、「聞こえていたのに意図的に無視された」「やっぱりあの人は評価が低い」と認識する前に、「聞こえていなかったかも知れない」「何か考え事があったのかも知れない」という風に色々な考え方をすることで相手に対する見方が変わってくるものです。どんなに自分の中の相手の印象が悪くても、本当にどう考えているのかという答えは相手の中にあります。組織をけん引していく院長先生をはじめとしたリーダー層の皆さまの大切な役割は、スタッフの能力・やる気を引き出し、組織運営にプラスにさせることです。そのために必要な良好な対話の鍵となる「自分自身の偏見」に向き合ってみませんか?
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