組織・人材育成
被評価者研修で伝えること
自己の成長と組織貢献
株式会社To Doビズ 代表取締役 篠塚 功
人事評価者の研修は、今まで数えきれないほど多くの病院で行ってきましたが、人事評価を受ける被評価者の研修は、人事評価制度の導入時に行う説明会程度で代用してきました。しかし、評価者である管理職がスムーズに人事評価や部下との面接を行えるようにするためには、人事評価を受ける職員にも、ある程度は人事評価のことを理解してもらった上で人事評価制度をスタートさせることが大事です。そこで、今回は、被評価者研修について考えます。
被評価者の心構え
被評価者研修の内容は、当然、評価者研修と重複する部分があります。人事評価の体系や評価を行う上での基本ルール、目標設定の仕方などは、評価を受ける職員にも理解してもらわないといけません。最近の人事評価は、被評価者にも自己評価をしてもらい、その評価と上司評価をつき合わせて両者の見方の違いから自己の課題に気づいてもらうことを重視していますから、被評価者にも人事評価の方法等について理解をしてもらう研修は必要でしょう。また、目標管理における目標設定の方法なども、被評価者が目標を立てるわけですから、講義や目標設定の訓練などを行い理解してもらう必要があります。
人事評価の一般的な事項について理解してもらうことは当然として、被評価者研修で、特に伝えておくべきことは、被評価者としての心構えではないかと考えます。例えば、筆者は、被評価者に次のような姿勢で人事評価に臨んでもらいたいと研修で伝えています。
①人事評価の目的・機能を十分理解し活用しようという姿勢、②病院や上司が被評価者に期待していること、すなわち「期待像」をしっかりと理解し期待像に近づいていこうという姿勢、③人事評価の運用である、目標達成に向けての活動や目標面接、中間面接、育成面接などに、受け身ではなく能動的に関わる姿勢、④自ら積極的に、上司とコミュニケーションを取る姿勢の4つです。
人事評価の目的は、評価者はもちろんのこと、評価を受ける職員にも十分理解してもらい、人事評価を活用するという心構えを持ってもらいたいと考えます。人事評価の目的の1番は、「人材育成」にあります。まずは、被評価者に、自らの成長を上司が支援するために人事評価があることを十分理解してもらう必要があるでしょう。評価という名称だと、上司が、自分という人間を勝手に評価し査定しようとしていると勘違いされる恐れがあると思います。したがって、人事評価というのは、部下という人間を評価するのではなく、部下が行っている仕事の結果や仕事を遂行している職務行動を評価し、部下の能力や行動の優れたところはさらに伸ばしレベルアップを図り、少し弱いところは改善し成長するようにするためのツールだということを理解してもらわなければならないのです。
次に、人事評価というのは、組織が職員に期待像を示すところから始まります。この期待像は、病院が等級や職位ごとに示す期待像と上司が被評価者ごと個別に示す期待像があります。前者は能力や役割で示され、後者は目標管理の目標によって具体的な形になります。人の成長は、自らが、その期待像に近づこうという姿勢で臨まなければ成しえないものと考えます。
目標管理は、下手をすると、上司からノルマを課されて仕方なく活動するような結果になりかねません。目標を立てて、その達成に向けて活動することこそ、自らの成長につながると信じて、目標達成へ向けての活動や面接において、受け身ではなく能動的に関わる姿勢を持ってもらいたいと考えます。また、人事評価の導入を機に、人事評価のツールを活かしながら、上司と積極的にコミュニケーションを取るよう努める姿勢も持ってもらいたいということを被評価者研修ではお願いしています。
人事評価の一般的な事項について理解してもらうことは当然として、被評価者研修で、特に伝えておくべきことは、被評価者としての心構えではないかと考えます。例えば、筆者は、被評価者に次のような姿勢で人事評価に臨んでもらいたいと研修で伝えています。
①人事評価の目的・機能を十分理解し活用しようという姿勢、②病院や上司が被評価者に期待していること、すなわち「期待像」をしっかりと理解し期待像に近づいていこうという姿勢、③人事評価の運用である、目標達成に向けての活動や目標面接、中間面接、育成面接などに、受け身ではなく能動的に関わる姿勢、④自ら積極的に、上司とコミュニケーションを取る姿勢の4つです。
人事評価の目的は、評価者はもちろんのこと、評価を受ける職員にも十分理解してもらい、人事評価を活用するという心構えを持ってもらいたいと考えます。人事評価の目的の1番は、「人材育成」にあります。まずは、被評価者に、自らの成長を上司が支援するために人事評価があることを十分理解してもらう必要があるでしょう。評価という名称だと、上司が、自分という人間を勝手に評価し査定しようとしていると勘違いされる恐れがあると思います。したがって、人事評価というのは、部下という人間を評価するのではなく、部下が行っている仕事の結果や仕事を遂行している職務行動を評価し、部下の能力や行動の優れたところはさらに伸ばしレベルアップを図り、少し弱いところは改善し成長するようにするためのツールだということを理解してもらわなければならないのです。
次に、人事評価というのは、組織が職員に期待像を示すところから始まります。この期待像は、病院が等級や職位ごとに示す期待像と上司が被評価者ごと個別に示す期待像があります。前者は能力や役割で示され、後者は目標管理の目標によって具体的な形になります。人の成長は、自らが、その期待像に近づこうという姿勢で臨まなければ成しえないものと考えます。
目標管理は、下手をすると、上司からノルマを課されて仕方なく活動するような結果になりかねません。目標を立てて、その達成に向けて活動することこそ、自らの成長につながると信じて、目標達成へ向けての活動や面接において、受け身ではなく能動的に関わる姿勢を持ってもらいたいと考えます。また、人事評価の導入を機に、人事評価のツールを活かしながら、上司と積極的にコミュニケーションを取るよう努める姿勢も持ってもらいたいということを被評価者研修ではお願いしています。
自己の成長と組織貢献
人事評価の第1の目的は、職員の人材育成であることは間違いありません。先述の心構えはこのことをベースにしたものです。職員が成長しなければ、医療の質を高めることもできませんし病院の目標を達成することもできません。すなわち、人事評価の目的は、人材育成に留まらず、その先の組織の目標達成にあることも理解してもらわなければなりません。単に自分の成長だけを考えて活動されても困るのです。したがって、被評価者のみなさんに、心構えとは別に、能力開発目標を例に挙げて、次にようにお伝えするようにしています。「個人の能力開発は重要だが、それは目標を達成するための手段であり、目標は、みなさんが組織から報酬を受けている見返りとして、組織に貢献することでなければならない。組織に貢献しない目標はあり得ない」。人事評価は、被評価者の成長のために行うのですから、先述の心構えで臨んでもらうことは大事なことです。しかし、当然その先には、組織に貢献してもらうことが前提にあるということを忘れられては困るのです。能力開発目標を認めないわけではありませんが、能力を開発し、それを具体的にどのような形で組織に還元するかまで目標とするよう、被評価者に伝えるようにしています。
【2023. 3. 15 Vol.564 医業情報ダイジェスト】
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