組織・人材育成
環境が人を作る~『休憩室』が多い組織の話
環境の整え方について考える
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
WBCの話題で溢れ、マスク着用が個人の判断に委ねられるという世の中の動きの中で原稿を書いております。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
今回はさまざまな進化の過程で組織の課題が生まれてしまったという院長先生のお話から、より良く進化するための環境の整え方について考えていきましょう。
今回はさまざまな進化の過程で組織の課題が生まれてしまったという院長先生のお話から、より良く進化するための環境の整え方について考えていきましょう。
ケース:
「正直、こんなことで変わるとは思いませんでした」と語るのは、長年この地域で医療機関を営んできたA先生です。A先生は複数のクリニック、在宅医療を展開する法人の代表であり、常により良い組織づくりを意識して独自の取り組みを行ってきました。
このA先生はもともと広大な土地を所有しており、開業当時から事業拡大を見込んで十分な広さがある施設を建設していました。目論見通り、地域のニーズに合わせて事業は順調に拡大してきており、たくさんあった部屋は少しずつ用途に合わせて改築され、埋まっていったのでした。
人数が増えたり、事業の数が増えていったりすることと共に増えたのが休憩室。一生懸命に働く職員を労うため、より良い環境を目指すA先生の想いから色々な休憩室が出来ていきました。男女別の部屋や仮眠室、トレーニングルーム、より事務所に近い場所への設置、そしてコロナ禍に作った1人用など多種多様です。
開業当初は少ない人数でモチベーション高く、職員同士のコミュニケーション量も多い中で日々の仕事が展開されてきましたが、時間の経過と共に職員間のトラブルが目に見えて現れるようになりました。そこで困り果てたA先生から筆者に「一度うちに来て雰囲気を見て欲しい」と連絡があったのでした。
筆者「個を大切にしている姿勢が伝わってくる素敵な施設ですね。職員のための休憩室の多さに驚きました!A先生を慕う方が多いことも感じ取ることが出来ました。羨ましいと思う反面、仕事をより円滑に進められるような職員同士のコミュニケーションが自然と生まれる環境は少ないように感じます。嫌いな人や苦手な人と極力顔を合わせず過ごすことが出来るため、ストレスを感じにくい環境ではありますが、言い換えると組織運営で避けて通れない人間関係のトラブルを乗り越えにくい環境とも言えるため、現在その影響が表面化している可能性が高いと思います」
ハッとした表情になるA先生。
A先生「これが普通だと過ごしてきたので、休憩室が多い意識はありませんでした。もっと言うと、最近職員から『部屋が足りない』という声を聞いていたので、十分ではないという認識でした。アフターコロナを踏まえて、職員同士が自然と交流出来る場作りが必要ですね…」
その後、早速複数ある休憩室を統合する決断をしたA先生(行動の早さにビックリ!)。職員からのブーイングは小さくなかったとのことですが、冒頭の発言が表わす通り今まで交流の少なかった職員同士の交流が増えてきており、少しずつ組織に活気が戻ってきているのを感じているそうです。
このケース、どのような感想を持ちましたか?
施設内の見学の際に、案内をして下さった職員の方も「…そう言えば私、休憩室の案内ばかりしていますね」と自ら振り返られるほど、休憩室の多い施設でした。日頃忙しく働く職員にとって居心地が良い環境になるように、その時に応じた場所・環境で休憩できるさまざまな休憩室が整えられていた一方で、よくよく話を伺うと各々特定の場所のみ使用しているようでした。そうなると、特定の人たちの間では交流が深まるものの、それ以外の方との交流が自然と希薄になり、人間関係の不和に弱い組織が徐々に形成されてきてしまったというわけです。
A先生のすごいところは「休憩室を広くしただけで何か変わるだろうか」と言いつつ、すぐさま行動に移したことです。「『環境が人をつくる』とは言うものの、今回大いに実感しました。休憩室の多さは職員にとって居心地の良さという意味では良かったが、それが何を引き起こすのか、環境設定を行う上でしっかり検討しなければならないと学びになりました」とA先生がおっしゃる通り、実は環境が人づくりに与えている影響は小さくないと感じています。
皆さまの組織はどのような環境で仕事を行っていますか?このケースを参考にどうぞ振り返ってみて下さい。
【2023. 4. 1 Vol.565 医業情報ダイジェスト】
このA先生はもともと広大な土地を所有しており、開業当時から事業拡大を見込んで十分な広さがある施設を建設していました。目論見通り、地域のニーズに合わせて事業は順調に拡大してきており、たくさんあった部屋は少しずつ用途に合わせて改築され、埋まっていったのでした。
人数が増えたり、事業の数が増えていったりすることと共に増えたのが休憩室。一生懸命に働く職員を労うため、より良い環境を目指すA先生の想いから色々な休憩室が出来ていきました。男女別の部屋や仮眠室、トレーニングルーム、より事務所に近い場所への設置、そしてコロナ禍に作った1人用など多種多様です。
開業当初は少ない人数でモチベーション高く、職員同士のコミュニケーション量も多い中で日々の仕事が展開されてきましたが、時間の経過と共に職員間のトラブルが目に見えて現れるようになりました。そこで困り果てたA先生から筆者に「一度うちに来て雰囲気を見て欲しい」と連絡があったのでした。
筆者「個を大切にしている姿勢が伝わってくる素敵な施設ですね。職員のための休憩室の多さに驚きました!A先生を慕う方が多いことも感じ取ることが出来ました。羨ましいと思う反面、仕事をより円滑に進められるような職員同士のコミュニケーションが自然と生まれる環境は少ないように感じます。嫌いな人や苦手な人と極力顔を合わせず過ごすことが出来るため、ストレスを感じにくい環境ではありますが、言い換えると組織運営で避けて通れない人間関係のトラブルを乗り越えにくい環境とも言えるため、現在その影響が表面化している可能性が高いと思います」
ハッとした表情になるA先生。
A先生「これが普通だと過ごしてきたので、休憩室が多い意識はありませんでした。もっと言うと、最近職員から『部屋が足りない』という声を聞いていたので、十分ではないという認識でした。アフターコロナを踏まえて、職員同士が自然と交流出来る場作りが必要ですね…」
その後、早速複数ある休憩室を統合する決断をしたA先生(行動の早さにビックリ!)。職員からのブーイングは小さくなかったとのことですが、冒頭の発言が表わす通り今まで交流の少なかった職員同士の交流が増えてきており、少しずつ組織に活気が戻ってきているのを感じているそうです。
このケース、どのような感想を持ちましたか?
施設内の見学の際に、案内をして下さった職員の方も「…そう言えば私、休憩室の案内ばかりしていますね」と自ら振り返られるほど、休憩室の多い施設でした。日頃忙しく働く職員にとって居心地が良い環境になるように、その時に応じた場所・環境で休憩できるさまざまな休憩室が整えられていた一方で、よくよく話を伺うと各々特定の場所のみ使用しているようでした。そうなると、特定の人たちの間では交流が深まるものの、それ以外の方との交流が自然と希薄になり、人間関係の不和に弱い組織が徐々に形成されてきてしまったというわけです。
A先生のすごいところは「休憩室を広くしただけで何か変わるだろうか」と言いつつ、すぐさま行動に移したことです。「『環境が人をつくる』とは言うものの、今回大いに実感しました。休憩室の多さは職員にとって居心地の良さという意味では良かったが、それが何を引き起こすのか、環境設定を行う上でしっかり検討しなければならないと学びになりました」とA先生がおっしゃる通り、実は環境が人づくりに与えている影響は小さくないと感じています。
皆さまの組織はどのような環境で仕事を行っていますか?このケースを参考にどうぞ振り返ってみて下さい。
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2025-11-02「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.17)(令和7年10月1日事務連絡)」を追加しました
2025-10-22
「疑義解釈資料の送付について(その30)」を追加しました
2025-10-01
「後発医薬品の出荷停止等を踏まえた診療報酬上の臨時的な取扱いについて」を追加しました
[お知らせ]
2026-01-14【セミナーのご案内】新社会システム総合研究所主催 これからの薬局経営の方向性と戦略
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