病院・診療所
管理栄養士の需要は増えているのか? データから見る現状
増加する需要と少数の組織体制の問題
株式会社メデュアクト 代表取締役 流石 学
ここ数回の改定を振り返っても、管理栄養士にかかる評価項目は改定ごとに増加していることがわかる。令和6年度改定においても、リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算や経腸栄養管理加算など、管理栄養士の関与が求められる新たな評価項目が加わった。改定の目玉のごとく新設された地域包括医療病棟入院料においても、専任の常勤の管理栄養士1名以上配置が要件になっている。
管理栄養士の業務への評価が高まっていく一方で、求められる役割が増え、施設基準上の配置も必要となれば、言うまでもなく増員も含めて管理栄養士を確保しなければならない。筆者がこれまで関わってきた病院を見ても、数年前と比較して管理栄養士の人数が増えている病院が多い印象がある。近年のこうした環境変化のなかで、病院の管理栄養士の人数はどの程度増えているのだろうか。今回は管理栄養士数にフォーカスを当てて検証する。
管理栄養士の業務への評価が高まっていく一方で、求められる役割が増え、施設基準上の配置も必要となれば、言うまでもなく増員も含めて管理栄養士を確保しなければならない。筆者がこれまで関わってきた病院を見ても、数年前と比較して管理栄養士の人数が増えている病院が多い印象がある。近年のこうした環境変化のなかで、病院の管理栄養士の人数はどの程度増えているのだろうか。今回は管理栄養士数にフォーカスを当てて検証する。
■病床あたりの管理栄養士数は?
令和元年度と令和5年度の病床機能報告をもとに、許可病床100床あたりの管理栄養士数(以下、管理栄養士数)を検証した。管理栄養士の人数に関するデータが未入力の病院は計算から除外している。
まず、令和元年7月時点の管理栄養士数の平均値は2.3名だった。これが令和5年7月では2.5名となり、1割近く増加していることになる。 さらに4年前と比べて管理栄養士数が増えた病院、減った病院を調べたところ、全体では38%の病院で管理栄養士数が増加し、22%の病院で減少していた(図1)。ただし、DPC参加病院に限ると、半数以上の病院が管理栄養士を増員していた。急性期機能を持つ病院のほうが、管理栄養士の採用に積極的なようだ。
図1:病床あたり管理栄養士数の増減状況

設立母体別の管理栄養士数はどうだろうか。大学、公立、公的、民間ごとにグループ分けして確認したところ、設立母体がいずれであっても、管理栄養士数は増加しているようだ(図2)。管理栄養士数は民間が最も多く、令和元年7月時点でも唯一2名を超えていた。さらに令和5年度の報告ではさらに増加して2.6名となっている。逆に最も少ないのが大学だ。ただし大学は令和元年度と比較して増加率が最も高く、4年前と比較して管理栄養士数が30%近く増加している。
病院の機能、施設基準等によって必要な人数は異なるため、一律の適正な人数を示すことは難しいが、管理栄養士の需要が増えていることは間違いない。特に民間病院では以前から積極的に採用していたことがわかる。民間病院のほうが、診療報酬の動向にあわせて機敏に対応しているということだろう。とはいえ図2の結果のように、もともとの管理栄養士数が少なかったグループほど、この4年間における増加割合は高くなっている。時間軸の差はあっても、民間病院以外も増員に動いてきたことが見えてくる。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準の届出を目指す急性期病院では、さらに管理栄養士を採用することも考えられる。
図2:100床あたり管理栄養士数と増減率

まず、令和元年7月時点の管理栄養士数の平均値は2.3名だった。これが令和5年7月では2.5名となり、1割近く増加していることになる。 さらに4年前と比べて管理栄養士数が増えた病院、減った病院を調べたところ、全体では38%の病院で管理栄養士数が増加し、22%の病院で減少していた(図1)。ただし、DPC参加病院に限ると、半数以上の病院が管理栄養士を増員していた。急性期機能を持つ病院のほうが、管理栄養士の採用に積極的なようだ。
図1:病床あたり管理栄養士数の増減状況

設立母体別の管理栄養士数はどうだろうか。大学、公立、公的、民間ごとにグループ分けして確認したところ、設立母体がいずれであっても、管理栄養士数は増加しているようだ(図2)。管理栄養士数は民間が最も多く、令和元年7月時点でも唯一2名を超えていた。さらに令和5年度の報告ではさらに増加して2.6名となっている。逆に最も少ないのが大学だ。ただし大学は令和元年度と比較して増加率が最も高く、4年前と比較して管理栄養士数が30%近く増加している。
病院の機能、施設基準等によって必要な人数は異なるため、一律の適正な人数を示すことは難しいが、管理栄養士の需要が増えていることは間違いない。特に民間病院では以前から積極的に採用していたことがわかる。民間病院のほうが、診療報酬の動向にあわせて機敏に対応しているということだろう。とはいえ図2の結果のように、もともとの管理栄養士数が少なかったグループほど、この4年間における増加割合は高くなっている。時間軸の差はあっても、民間病院以外も増員に動いてきたことが見えてくる。リハビリテーション・栄養・口腔連携体制加算の施設基準の届出を目指す急性期病院では、さらに管理栄養士を採用することも考えられる。
図2:100床あたり管理栄養士数と増減率

■増加する需要と少数の組織体制の問題
現在議論されている新たな地域医療構想では、85歳以上の高齢者の増加への対応が課題となる。高齢者医療においては、栄養状態の改善、水分管理が治療効果を高めるために重要となる。管理栄養士による栄養ケアへの需要は、今後一段と増えることが見込まれる。
今後もさらなる活躍が期待される職種でありながら、多くの病院で人員の絶対数が少ないという課題もある。
個々の病院に勤務する管理栄養士の人数は、3名以下のところが全体の8割近くを占め、10名以上勤務している病院は、全体の1%に満たない。求められる業務が広がっているにもかかわらず、少数の組織体制のため、退職のほか、育児休業など何らかの事情で職場を離れる人が出てしまうと、それまで日常的に取り組んできた業務を止めなければならないところまで、マンパワーが一気に不足してしまう恐れがある。実際にそのような話を耳にすることは多い。 「2040年問題」 に向けて動き出す中で、管理栄養士の組織体制についても改めて考えていきたい。
【2024. 12. 1 Vol.605 医業情報ダイジェスト】
今後もさらなる活躍が期待される職種でありながら、多くの病院で人員の絶対数が少ないという課題もある。
個々の病院に勤務する管理栄養士の人数は、3名以下のところが全体の8割近くを占め、10名以上勤務している病院は、全体の1%に満たない。求められる業務が広がっているにもかかわらず、少数の組織体制のため、退職のほか、育児休業など何らかの事情で職場を離れる人が出てしまうと、それまで日常的に取り組んできた業務を止めなければならないところまで、マンパワーが一気に不足してしまう恐れがある。実際にそのような話を耳にすることは多い。 「2040年問題」 に向けて動き出す中で、管理栄養士の組織体制についても改めて考えていきたい。
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