組織・人材育成
リーダーの行動が組織の雰囲気を決める
院長先生が選択した行動が組織により良い雰囲気を生んだケース
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
2024年度介護報酬改定の答申が出て、診療報酬改定も終盤に差し掛かって参りました。今回の同時改定は改定時期が異なるものもあり(介護報酬改定は4サービス以外4月改定、その他診療報酬改定は6月改定)、新人教育の方法や業務フローの見直しなど、2024年度は新しい変化へのチャレンジになりそうですね。
さて、今回は新人教育の方法について悩む院長先生が選択した行動が組織により良い雰囲気を生んだ事例をご紹介いたします。
さて、今回は新人教育の方法について悩む院長先生が選択した行動が組織により良い雰囲気を生んだ事例をご紹介いたします。
ケース:
東京から通勤圏内にある住宅街のクリニックで起こったお話です。このクリニックの院長先生は新人教育について悩んでいました。
院長先生「新人さんの定着に悩んでいます。私は一見怖く見えるようで、新人さんにとって話しかけにくい存在だそうです。そのため、何の声掛けでも注意されているように聞こえてしまうとのこと。そうであれば院長として最初は新人さんを遠巻きに観察するに留めて、徐々に距離を詰めていこうかと思っていたのですが、良い結果は得られませんでした」
コロナ禍でマスク必須になったこともあり、ただでさえ笑顔の少ない院長先生の表情の変化が見えにくくなったことも影響しているようです。
筆者「そうなのですね。リーダーはご自身が意識しているかによらず、想像以上に周りに影響を与えている存在だと思います。院長先生ご自身が影響を与えているとしたら、何か変化できそうなことはありませんか?」
院長先生「実はまた新人さんが入職することになりまして……医療業界に携わったことがないどころか、社会人経験も浅いのです。そこで私は気持ちを180度切り替えて『とにかくフランクに明るく元気に』接することにして、実験してみようと思いますが、どうでしょうか?」
筆者「『やってみよう』と言う思いを大切にしましょう!どういう成果が出たか教えてください」
その後、院長先生は有言実行!入職した新人さんに対してフランクに接するようになりました。明らかな変化に他のスタッフも当初は驚いていたとのことですが、スタッフからは「びっくりしましたが、話しかけやすい雰囲気で良いと思います!」と高評価とのこと。
院長先生が懸念していた「治療の集中力が欠如するのではないか」ということも無く、かえって組織全体の雰囲気が明るくなって診療がスムーズになったようです。
院長先生「私が組織に与えている影響ってこんなに大きかったのですね。私がフランクに明るく接するようになって、変な緊張感や嫌なピリピリした雰囲気は本当に少なくなりました。忙しくても『乗り切るぞ!』という雰囲気ができています。早くからこうしておけば良かったのか……」
このケース、どのような感想を持ちましたか?
私は「リーダーは魔法使いだ」と冗談めかして表現していますが、魔法使いという言葉を使いたくなるほどに、リーダーが周囲に与える影響力は非常に大きいと感じています。たまに「リーダーには威厳が必要だ」と考える方もおられると思います。
私は、威厳はリーダーとしての言動の結果得られる勲章であり、リーダーには威厳よりも前にスタッフからの尊敬が必要だと考えています。スタッフからの尊敬が得られるようになるには、リーダーが意図することが正しく伝わる組織風土づくりが欠かせません。このケースのように、リーダーが意図することを伝えようとする前に相手を委縮させてしまっては、伝えたいものが伝わりにくくなるものです。
このケースを参考に、ぜひリーダーご自身の立ち振る舞いと、リーダーの言動が組織の雰囲気に与えている影響について、スタッフと共に振り返ってみてはいかがでしょうか?率直な意見を返してくれるスタッフの存在は貴重で、きっと新しい気付きが得られると思いますよ。
【2024. 2. 15 Vol.586 医業情報ダイジェスト】
院長先生「新人さんの定着に悩んでいます。私は一見怖く見えるようで、新人さんにとって話しかけにくい存在だそうです。そのため、何の声掛けでも注意されているように聞こえてしまうとのこと。そうであれば院長として最初は新人さんを遠巻きに観察するに留めて、徐々に距離を詰めていこうかと思っていたのですが、良い結果は得られませんでした」
コロナ禍でマスク必須になったこともあり、ただでさえ笑顔の少ない院長先生の表情の変化が見えにくくなったことも影響しているようです。
筆者「そうなのですね。リーダーはご自身が意識しているかによらず、想像以上に周りに影響を与えている存在だと思います。院長先生ご自身が影響を与えているとしたら、何か変化できそうなことはありませんか?」
院長先生「実はまた新人さんが入職することになりまして……医療業界に携わったことがないどころか、社会人経験も浅いのです。そこで私は気持ちを180度切り替えて『とにかくフランクに明るく元気に』接することにして、実験してみようと思いますが、どうでしょうか?」
筆者「『やってみよう』と言う思いを大切にしましょう!どういう成果が出たか教えてください」
その後、院長先生は有言実行!入職した新人さんに対してフランクに接するようになりました。明らかな変化に他のスタッフも当初は驚いていたとのことですが、スタッフからは「びっくりしましたが、話しかけやすい雰囲気で良いと思います!」と高評価とのこと。
院長先生が懸念していた「治療の集中力が欠如するのではないか」ということも無く、かえって組織全体の雰囲気が明るくなって診療がスムーズになったようです。
院長先生「私が組織に与えている影響ってこんなに大きかったのですね。私がフランクに明るく接するようになって、変な緊張感や嫌なピリピリした雰囲気は本当に少なくなりました。忙しくても『乗り切るぞ!』という雰囲気ができています。早くからこうしておけば良かったのか……」
このケース、どのような感想を持ちましたか?
私は「リーダーは魔法使いだ」と冗談めかして表現していますが、魔法使いという言葉を使いたくなるほどに、リーダーが周囲に与える影響力は非常に大きいと感じています。たまに「リーダーには威厳が必要だ」と考える方もおられると思います。
私は、威厳はリーダーとしての言動の結果得られる勲章であり、リーダーには威厳よりも前にスタッフからの尊敬が必要だと考えています。スタッフからの尊敬が得られるようになるには、リーダーが意図することが正しく伝わる組織風土づくりが欠かせません。このケースのように、リーダーが意図することを伝えようとする前に相手を委縮させてしまっては、伝えたいものが伝わりにくくなるものです。
このケースを参考に、ぜひリーダーご自身の立ち振る舞いと、リーダーの言動が組織の雰囲気に与えている影響について、スタッフと共に振り返ってみてはいかがでしょうか?率直な意見を返してくれるスタッフの存在は貴重で、きっと新しい気付きが得られると思いますよ。
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2026-03-03【雑誌掲載のご案内】医学通信社『月刊/保険診療 2026年2月号』に寄稿が掲載されました
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