保険薬局

ホワイト企業の条件を理解し、企業PR強化を

AI生成が求人検索方法を変える時代が到来!?
株式会社ウィーク  シニアコンサルタント 長谷川 周重

●ホワイト企業の条件とは

昨今、OpenAIのChatGPTが話題となり、日々AI技術が身近になってきている。その代表としてMicrosoftが提供しているBingという検索エンジンにBing ChatというAI搭載のウェブ用Copilotが新たにリリースされた。私も初めて利用した時は、ついにここまで滑らかな文章と回答が生成されるものなのかと大変驚いた。まだ利用されていない方は手軽なので是非試してみてほしい。

さて、このBing Chatに「ホワイト企業の条件を教えてください」と入力したところ、3秒も待たずに下記の回答が生成された。
以下、原文ママ

 ホワイト企業とは、労働者が働きやすい環境を提供する企業のことです。ホワイト企業には、以下のような特徴があります。
  • 離職率が低い
  • 福利厚生が充実している
  • 残業時間が少ない
  • 有給休暇の取得率が高い
  • 女性が働きやすい環境である
  • 基本給が高い
  • 業績が良好で将来性がある
  • コンプライアンスを遵守している

ホワイト企業に就職することで、社内環境や待遇が良い状況で働くことができ、社会人として充実した働き方ができます。企業分析をする際に、その企業の社内環境や待遇をしっかりと調べておくことが大切です。
また、日本の認定組織においてホワイト企業認定制度もあります。この認定制度では、70設問を7つの項目にわけ、総合的に判断・評価しています。
以上の情報を参考に、自分に合ったホワイト企業を見つけてください。
Bing Chatによる文章は、ウェブ上の情報をAIで検索・自動合成をして作成される。これまで検索エンジンに検索キーワードを入力し、該当情報のページを1枚1枚収集して文章にまとめていたものが、その手間が全く無くなる機能である。

●ホワイト企業の条件に基づく記載のポイント

最近は、企業をブラックとホワイトで分別する傾向が年々高まってきている。そのため、少しでも求人内容を良くしたいのならば、ホワイト条件をPRする必要がある。
 Bing Chatからホワイト企業の特徴として8つを挙げたが、実際の求人票ではほとんどの企業で強調されることはない。従って記載できれば他社との差別化が明確になり、企業の魅力が求職者に伝わりやすくなる。
1.離職率が低い
入社3年以内の離職率の公開、特に中途採用者の離職率の公開ができると尚良い。

2.福利厚生が充実している
従業員を大切にしているかどうかの尺度になる項目である。特に、会社が独自で導入している福利厚生があればPRしてほしい。例として、アニバーサリー休暇や研修費の補助、医療費の補助など。

3.残業時間が少ない
一般的に時間外労働が20時間以内であれば、少ない会社と言える。従ってそれ以内であれば積極的な記載をお勧めする。また、残業
時間の計算単位が1分単位のところも魅力の一つである。なお、サービス残業がないことは当然である。

4.有給休暇の取得率が高い
有給取得率が高いことに加えて、半日単位で有給取得ができること、取得率向上を積極的に推奨しているなどPRできると尚良い。

5.女性が働きやすい環境である
育児休暇や時短勤務制度など、女性が働きやすい環境を整備・利用されていることも有効なPRである。子育てサポート企業として厚生労働大臣が認定する「くるみん認定」「プラチナくるみん認定」などの取得や取得に向けた取り組み、全社理解として相互扶助の考えが浸透していることはぜひPRしたい。

6.基本給が高い
なかなかPRをしづらいかもしれないが、紹介会社と相談して、他社と比較して条件が良い場合はPRの材料としたい。

7.業績が良好で将来性がある
業績が好調か否かもとても重要である。業績好調な企業は、給与に反映される可能性が高く、新規出店によるポジション創出への期待感も高くなる。求職者は、会社の経営が安定しているかどうかをとても重視している。

8.コンプライアンスを遵守している
法令遵守は当然のことであるが、近年もう一つ、コーポレートガバナンスもとても重要だ。「コンプライアンス、コーポレートガバナンスを重視し、風通しが良く透明性の高い企業運営に努めています」という宣言だけでも、大きな安心感を提供できる。

以上のようにホワイト条件に沿って社内改善や求人PRを行うことで、他社とは少し違った見せ方ができるようになる。紹介会社に依頼をする際にも、このホワイト企業の条件を元にPRをお願いすることで、より広く求職者へアプローチができ、優先度を高めてもらえる可能性が高くなり、採用活動が有利になる。

●最後に

今回はBing Chatを使用しホワイト企業の条件を調べてみたが、求職者が従来のGoogleを始めとする検索エンジンによるキーワード検索から、今後はこのようなAI生成による検索に変わる可能性がある。人材採用においてもAIの発展により、近い将来採用手法が変貌していくことを留意しておきたい。


【2023.11月号 Vol.330 保険薬局情報ダイジェスト】