介護

【続き】通所・訪問リハビリの計画書とリハマネ加算算定要件のおさらい

退院後に利用開始となる場合の計画書移行の有無
株式会社メディックプランニング  代表取締役 三好 貴之

▼リハマネ加算(ハ)は算定すべきか

今回新たに新設された「リハマネ加算(ハ)」に関して、「算定は難しいのでは」という意見をたくさん聞きました。主な算定要件は図の通りです。
もちろん、居宅訪問やリハビリ会議など依然として高いハードルはありますが、すでに、他のリハマネ加算を算定している場合、追加すべきは、①外部連携を含めた管理栄養士の配置、②多職種による口腔、栄養のアセスメントや情報共有――となるので、さほど手間が増えるわけではありません。
入院・入所施設がなく、管理栄養士を配置できない事業所の算定は難しいですが、配置が可能な場合は、口腔・栄養のアセスメントと情報共有が算定要件なので、それほどハードルは高くありません。ここでよく勘違いされているのが、「うちは食事を提供していない」「口腔機能が向上するようなプログラムを提供していない」「特別食を提供していない」など「実施加算」と混同しているケースがあります。
しかし、このリハマネ加算は、アセスメントと情報共有ですので、口腔機能向上や栄養改善の取り組みを評価するものではなく、その手前の口腔機能障害や栄養障害の発生予防や重度化予防が目的です。


第239回社会保障審議会介護給付費分科会 令和6年1月22日(月)

▼ 同じ利用者でもリハマネ加算(イ)(ロ)(ハ)を月ごとに変えるのは可能

令和3年度の介護報酬改定では、従来のリハマネ加算(A)と(B)は、月ごとに(A)と(B)を途中で変えるのは望ましくなく、同じ加算で算定するのが望ましいとされていました。
しかし、令和6年3月19日の「令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(Vol.1)」では一転して、月ごとに加算を変えるのは「可能である」と変わりました。
想定されるケースとしては、もともと口腔や栄養障害があったため「リハマネ加算(ハ)」を算定していたものの、徐々に改善し、問題がなくなったので「リハマネ加算(ロ)」に変更するような場合です。逆に、口腔・栄養に問題がなかった利用者が、少し問題が出てきたので「リハマネ加算(イ)(ロ)」から「リハマネ加算(ハ)」に変更することも考えられます。

▼(I)の6か月は変えられないので要注意

ここで注意が必要なのは、リハマネ加算(イ)(ロ)(ハ)の加算は変更可能ですが、期間を評価している6か月以内の(Ⅰ)を算定する場合には、途中で(Ⅱ)へ変えられないということです。理由としては「利用者の状態が不安定となりやすい時期において、集中的に一定期間(6月間)に渡ってリハビリテーションの管理を行うことを評価するもの」なので、あくまでも、「6か月間実施ありき」の加算であるということです。
よって、利用者の状態に関わらず、6か月間は毎月リハビリ会議の実施が必要になりますので、(Ⅰ)を算定する前に、利用者が6か月の継続が必要か、事業所が対応できるかなどきちんと確認した上での算定が求められます。


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【2024. 7. 15 Vol.596 医業情報ダイジェスト】