組織・人材育成
新人を早期戦力化する具体策 教え上手・教わり上手になるためのポイント
クリニック相談コーナー
合同会社MASパートナーズ 代表社員 原 聡彦【相談内容】
近畿地方で開業5年目のA内科クリニックA院長より「新人を早期戦力化させるためにはどんな教育をすればいいですか?」という相談を頂きました。
【回 答】
今回は教える側、教わる側の具体策をお伝えします。
1) 先輩職員に教え上手になってもらうためにやるべきこと
1.アクティブ・リスニング
アクティブ・リスニングの「共感」は「同意」「同感」「同情」とは主語が違います。「共感」は、仕事を教わる、指導を受ける新人職員側が主語となります。仕事を教える先輩職員が「新人スタッフが感じている・思っている」ことを受け止めるということです。現場では、先輩職員が伝えたかったことと違う意味で捉えていることがわかると「〇〇さん、私はそのような意味で言ったのではないよ!」と解釈の違いを指摘してしまうケースはよくあると思います。共感のアクティブ・リスニングでは「〇〇さんはこの話をそのように受け取ったんだね」と、伝えたいことが伝わっていなくても、解釈が違っていても、まずは「スタッフがそう感じている・そう思っていること」を受け止めます。そうすると相手は「思い・考え」を聴いてもらえたと感じます。ただし、一刻を争う診療現場では適していないケースもあるのでTPOはしっかり考えて実施していただきたいと思います。
2.相互理解を深めていく
新人職員を早期戦力化するには先輩職員と新人職員の相互理解を深める仕掛けが必要となります。この仕掛けにより新人職員の現在の状況について新人職員自身が反省している心情などが先輩職員に伝わります。相互理解を深めるために効果のあった事例をお伝えします。
■日報を毎日、提出してもらい振り返りを行う
初めて行った業務、反省点、注意されたことなどを毎日書いて提出してもらう。日報の提出状況や日報の中身を見ると新人職員の仕事の取り組み姿勢がわかります。先輩職員には日報を確認して必ず一言、長所と注意すべきアドバイスを贈るようにしてもらいましょう。この日々の積み重ねが相互理解を深めます。
■新人が作成したノートをチェックする
新人の仕事の理解度や習熟度を測る際、私は現場での働きぶりを確認するとともに新人が作成しているノートを確認するようにしております。仕事の習熟の速い新人はノートがわかりやすくまとめられています。一方、いくら教えても仕事ができない人はノートの内容がわかりにくく、指示したことが書かれていないなどノートの取り方が乱雑です。
2)新人職員に教わり上手になるためにやるべきこと
私どもがクライアント様の新入職者に教わり上手になるために伝えている内容の一部を紹介します。ひょっとすると院長にとっては社会人として当たり前のことばかりかもしれませんが、院長が考える「当たり前」と職員が考える「当たり前」には認識のギャップがあることが多いので、診療所内で「当たり前のこと」を定義化し同じ物差しを持たせることをお勧めします。
1.指示の受け方
呼ばれたらすぐに「ハイ」と返事。指示した人の方に顔を向ける。
最後に指示内容を復唱して確認する。
2.報告連絡相談
結論から先に述べる。そして、ミスをしたらありのままをすぐに報告する(ミスをなかったことにしない)。
3.注意の受け方
まず「申し訳ございませんでした」と伝える。そして、ふてくされない。泣かない。
自分の失敗を素直に認める。「ありがとう」と「ごめんなさい」が素直に言えることは、子どもだけでなく、社会人にとっても重要です。
4.挨拶と感謝を先手必勝で伝える
先輩職員に好印象を持ってもらうために新人職員は先輩より先に挨拶をするよう指導しましょう。また、「おはようございます」「お先に失礼します」だけでなく「よろしくお願いします」や「今日もありがとうございました」など感謝を言葉で伝えることがポイントです(心で思っていても伝わりません)。
5.指導を受けたことはすぐ行動にする
例えば、電子カルテで新患登録の操作を習ったとすると、その直後の新患登録を「やってみてもよいですか?」と積極的に意欲を示し、すぐ行動することです。このような行動が先輩からすると、教えがいのある人となり、仕事の習熟度も「可視化」することができます。たとえ仕事が間違っていたとしても、訂正を早い段階でできるので、教える側としては習熟度を把握でき、指導のやり方も検討できます。
6.業務を指導してくれる先輩職員に対して納得のいかない顔をしない
一生懸命指導する先輩職員からすると、納得のいかない顔はたまりません。納得のいかない顔をする前に質問するように指導していただきたいと思います。
ぜひ、上記のような自院で仕事をするうえで好ましい所作をお伝えください。
【2023. 6. 15 Vol.570 医業情報ダイジェスト】
1.指示の受け方
呼ばれたらすぐに「ハイ」と返事。指示した人の方に顔を向ける。
最後に指示内容を復唱して確認する。
2.報告連絡相談
結論から先に述べる。そして、ミスをしたらありのままをすぐに報告する(ミスをなかったことにしない)。
3.注意の受け方
まず「申し訳ございませんでした」と伝える。そして、ふてくされない。泣かない。
自分の失敗を素直に認める。「ありがとう」と「ごめんなさい」が素直に言えることは、子どもだけでなく、社会人にとっても重要です。
4.挨拶と感謝を先手必勝で伝える
先輩職員に好印象を持ってもらうために新人職員は先輩より先に挨拶をするよう指導しましょう。また、「おはようございます」「お先に失礼します」だけでなく「よろしくお願いします」や「今日もありがとうございました」など感謝を言葉で伝えることがポイントです(心で思っていても伝わりません)。
5.指導を受けたことはすぐ行動にする
例えば、電子カルテで新患登録の操作を習ったとすると、その直後の新患登録を「やってみてもよいですか?」と積極的に意欲を示し、すぐ行動することです。このような行動が先輩からすると、教えがいのある人となり、仕事の習熟度も「可視化」することができます。たとえ仕事が間違っていたとしても、訂正を早い段階でできるので、教える側としては習熟度を把握でき、指導のやり方も検討できます。
6.業務を指導してくれる先輩職員に対して納得のいかない顔をしない
一生懸命指導する先輩職員からすると、納得のいかない顔はたまりません。納得のいかない顔をする前に質問するように指導していただきたいと思います。
ぜひ、上記のような自院で仕事をするうえで好ましい所作をお伝えください。
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2024-11-05
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