組織・人材育成

【続き】リーダーの立ち居振る舞いと、スタッフが望むリーダーの立ち居振る舞い

より良い組織を目指すためのリーダーのあり方を考える
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
このケース、どのような感想を持ちましたか?
このケースでは 「明確な指示命令が欲しい」 スタッフAさんと 「自分が良いと思うことを自分で自由に選択し行動できる環境が好ましい」 Bさんがいらっしゃるように、仕事に対する向き合い方が異なることで望ましいリーダーのあり方が異なっているようですね。このように 「この組織のリーダーはどうあるべきか」 について、スタッフそれぞれで(たとえ同じ職種・職位でも)考え方が大きく異なると感じる場面に立ち合うことは少なくありません。
私はその組織の風土・文化によりリーダーのあるべき姿が多岐に渡ることは問題ではなく、 「なぜその組織のリーダーのあるべき姿なのか」 という問いの答えがないのであれば、それは問題だと思います。つまり、ありたい組織の姿があり、その姿を目指すためにあるリーダーの姿と繋がっているかどうか、です。
新しい業務を行うに当たり承認の手順に則るなど、規律を重要視することで統率の取れた組織を目指すのか、スタッフの自主性を尊重して自由な発想や創造性を活かした業務をタイムリーに行っていく組織を目指すのかで、望ましいリーダーのあり方は異なるはずです。現実的にリーダーが変わると組織の雰囲気が大きく変わることがありますが、それは組織の目指す姿ありきではなく、そのリーダーが考えるリーダーのあり方によって組織の雰囲気が変化しているだけではないか、本末転倒ともいえる状況になっていないかどうか、今一度立ち止まって考えることが必要ではないでしょうか。

皆さまの組織では具体的に 「目指したい組織のあり方を踏まえると、この組織ではどのようなリーダーのあり方が望ましいのか」 考える機会を持ったことはありますか?
リーダー研修で最も大切な視点だと思います。このケースが 「誰かにとって心地良いからそれで良い」 のではなく、組織として全員がより良い組織を目指すためのリーダーのあり方を考えるための一助になれば幸いです。


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【2024.8. 1 Vol.597 医業情報ダイジェスト】