病院・診療所
オンライン資格確認の導入で見えた地域差
オンライン資格確認の導入義務化を目前に控え、医療機関の対応は大忙しに
株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺 優
■ オンライン資格確認の導入義務化を目前に控え、医療機関の対応は大忙しに
2023年4月から原則としてオンライン資格確認の導入が義務付けられる。現状、医療機関においてマイナンバーカードを保険証として利用する件数は多くない。まず、これまでマイナンバーカードの普及が進まず、その上、マイナンバーカードを保険証として利用する登録が進んでいなかった。加えて、医療機関におけるオンライン資格確認のためのカードリーダーの導入も決して順調とは言えなかった。
ところがマイナポイントの猛烈な後押しもあり、マイナンバーカードの発行は申請8,710万件・発行7,801万件(2023年2月15日時点)に、そして保険証としての利用登録は4,686万件(2023年2月12日時点)に達した。また、顔認証付きカードリーダーの申し込み施設数も21万施設、申し込み率91.5%(2023年2月12日時点)まで増加した(グラフ1)。
ところがマイナポイントの猛烈な後押しもあり、マイナンバーカードの発行は申請8,710万件・発行7,801万件(2023年2月15日時点)に、そして保険証としての利用登録は4,686万件(2023年2月12日時点)に達した。また、顔認証付きカードリーダーの申し込み施設数も21万施設、申し込み率91.5%(2023年2月12日時点)まで増加した(グラフ1)。
グラフ 1 顔認証付きカードリーダー申込施設数・運用開始施設数(推移)

デジタル庁 マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会中間とりまとめ参考資料(2023年2月17日開催)を基に作成
しかし、カードリーダー申し込み施設数の増加の勢いに対し、運用開始施設数の伸びは緩やかなため、運用開始待ちの施設が相当数ある。カードリーダーを申し込んだ施設のうち、薬局では8割弱が運用を開始している一方で、医科診療所は4割程度と低調である(グラフ2)。
グラフ 2 顔認証付きカードリーダー申込施設における運用開始済み施設の割合

厚生労働省 オンライン資格確認の都道府県別導入状況について(2023年2月12日時点)を基に作成
■申込後になかなか運用開始に至らない大都市部
運用開始割合の低い医科診療所について、都道府県別にその割合を比較した。縦軸にその割合、横軸には各都道府県の医科診療所数を対数でプロットした(グラフ3)。診療所数の多い東京、神奈川、大阪など大都市部では明らかに運用開始施設割合が低い。一方、診療所数の少ない地域では、宮崎のような運用開始施設割合の高い県から島根のような低い県までばらつきが大きい。そのため、点線の直角三角形の中に各都道府県が収まっている。
グラフ 3 医科診療所 顔認証付きカードリーダー申込施設における運用開始済み施設の割合都道府県比較

厚生労働省 オンライン資格確認の都道府県別導入状況について(2023年2月12日時点)、医療施設調査(2021年10月1日時点)を基に作成
なぜ地域により、これだけ差が生じたのだろうか。オンライン資格確認の都道府県別導入状況について時系列で推移をたどると、島根県は当初からカードリーダーの申込施設割合が低調だった一方で、逆に宮崎県は申込施設割合が他地域より順調に推移していた。
都市部は診療所の多さゆえに、地方部ほど行政の支援などできめ細やかな対応が期待できないことなどが影響し、また、地方部はそもそもDX推進の姿勢の違いなどが影響し、結果的にグラフ3の直角三角形のような形の中に都道府県が分布していると考えている。
厚生労働省では「医療DX令和ビジョン2030」の実現に向けて、データヘルス改革推進本部に厚生労働大臣をチーム長とする「医療DX令和ビジョン2030厚生労働省推進チーム」を設置した。この政府の本気の姿勢にしっかりついて行くには、行政・医療機関が連携し、協力体制を構築するべきではなだいろうか。
【2023. 3. 15 Vol.564 医業情報ダイジェスト】
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