診療報酬

特例終了に伴う算定や処方箋の留意点について

「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更
株式会社ウォームハーツ 古矢 麻由
令和5年3月31日の事務連絡「新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置づけの変更に伴う新型コロナウイルス感染症に係る診療報酬上の臨時的な取扱いについて」により、電話や情報通信機器を用いた診療等に係る特例が7月31日で終了しました。情報通信機器を用いた診療については、施設基準を届出ることで初診料(情報通信機器)251点や再診料(情報通信機器)73点を算定することとなります。
 本稿では特例終了に伴う8月1日からの算定や処方箋の留意点についてお伝えいたします。

Q1: 8月1日からの電話再診の算定の扱いはどのようになるのでしょうか。
A1: 電話再診は今まで通り「A001 注9 電話等再診料73点」として算定します。
情報通信機器を用いた診療の施設基準を届け出ることで、「A001 注1 再診料(情報通信機器)」を算定し、処方することができます。

●Point: オンライン診療は、厚労省「オンライン診療の適切な実施に関する指針(平成30年3月)」( 令和5年3月一部改訂)に沿って実施すること
https://www.mhlw.go.jp/content/000889114.pdf
  •  オンライン診療を実施する医師は厚生労働省が指定する研修の受講が必要です。
  •  適時調査の際、オンライン指針に定める「厚生労働省が定める研修」の修了が確認できる文書の提示が求められます。(厚生労働省 適時調査実施要領等 調査書「重点的に調査を行う施設基準」)

Q2: 当院では、8月以降も施設基準届出のオンライン診療と調剤薬局におけるオンライン服薬指導を継続予定です。
7月3 1日まで処方箋備考欄に記載していた「0410対応」「新型コロナウイルスの感染拡大防止」は8月1日からはどのようにしたらよいでしょうか。
A2:処方箋備考欄には下記のように記載します。

●Point: 処方箋備考欄への記載
① オンライン診療で処方箋を発行するときは「情報通信」
② オンライン服薬指導を希望する時は「オンライン対応」

<上記A2①②の通知根拠>
① オンライン診療による処方箋発行 令和4年3月25日 保医発0325第1号
「診療報酬請求書等の記載要領等について」等の一部改正について
第5 処方箋の記載上の注意事項
8「備考」欄について 通知(10)
情報通信機器を用いた診療の実施に伴い処方箋を発行する場合については、「情報通信」と記載する。
なお、その他留意点として、処方箋は薬局に処方箋原本を送付いただくことになります。

②オンライン服薬指導
令和4年9月30日 事務連絡「オンライン服薬指導における処方箋の取扱い」の改定について
1. 医療機関における処方箋の取扱いについて
患者が、オンライン服薬指導を希望する場合は、処方箋の備考欄に「オンライン対応」と記載し、当該患者の同意を得て、医療機関から患者が希望する薬局にファクシミリ、メール等により処方箋情報を送付すること。
その際、医師は診療録に送付先の薬局を記載すること。

<処方箋見本>



【2023. 8. 15 Vol.574 医業情報ダイジェスト】