介護施設
訪問リハビリの運営をきちんとマネジメントする
何のためにやるかが重要
株式会社メディックプランニング 代表取締役 三好 貴之
先日、筆者の支援先のA病院の事務長から 「アドバイスいただいた訪問リハビリが好調です」 とのご報告をいただきました。A病院は100床規模の町内唯一の病院です。入院患者に対するリハビリはしっかり実施している一方で、退院後の通所や訪問リハビリという介護保険でのリハビリ機能がなかったため、昨年9月に新たに訪問リハビリ事業所を設置し、訪問リハビリを開始しました。
▼訪問リハビリ事業所の概況
令和5年7月24日の介護給付費分科会の資料によれば、訪問リハビリ事業所は全国で約5,000件あり、毎年増加しています。しかし、病院は全国に約8,000件、診療所は10万件あることを考えると、設置率は4.6%になります。もちろん、リハビリに関係のない診療科目(形成外科、歯科など)も含めての数字ですが、今後、外来患者が減少してくれば、リハビリも 「待ち」 の姿勢ではなく、どんどん地域に 「出ていく」 必要性が増してきます。
また、訪問リハビリの事業所数には地域差もかなりあり、都道府県別でみると、事業所数では大阪や東京の都市圏が多くなりますが、人口10万人当たりでは徳島県がダントツで多く 「38. 4事業所」 あり、最小の新潟県の 「7.4事業所」 との格差は 「5.2倍」 もあります。また、東京、大阪は事業所数こそ多いものの、人口10万人当たりにすると大阪 「19.3事業所」 、東京 「11.0事業所」 で、それほど多くありません。
また、訪問リハビリの事業所数には地域差もかなりあり、都道府県別でみると、事業所数では大阪や東京の都市圏が多くなりますが、人口10万人当たりでは徳島県がダントツで多く 「38. 4事業所」 あり、最小の新潟県の 「7.4事業所」 との格差は 「5.2倍」 もあります。また、東京、大阪は事業所数こそ多いものの、人口10万人当たりにすると大阪 「19.3事業所」 、東京 「11.0事業所」 で、それほど多くありません。
▼収益を上げるには利用者を増やす
よく医療機関の経営者から 「訪問リハビリは収益が上がらない」 と聞きます。実際に筆者の知っている医療機関でも訪問リハビリから撤退するケースをみてきました。令和5年度介護経営実態調査では、令和4年度の訪問リハビリ事業所の補助金を除いた収支差率と訪問回数の推移は図の通りです。これをみると訪問回数を上げることで、かなり収支差率が改善していることが分かります。全国平均の訪問件数は、 「164.8回/月」 なので、1日で加算すると 「8.2回」 です。20分が1回なので、おおよそ2時間半の稼働になります。訪問リハビリ専従者(1日8時間勤務)を配置した場合は、移動時間や記録、担当者会議といった間接業務の時間を含めてもまだ余力は十分にあります。
訪問リハビリの場合は、リハマネ加算や移行支援加算などがありますが、少ない利用者で加算を算定するよりも、利用者を増やし、1日12~15回の訪問リハビリを実施すれば、しっかり収益を確保できます。

訪問リハビリの場合は、リハマネ加算や移行支援加算などがありますが、少ない利用者で加算を算定するよりも、利用者を増やし、1日12~15回の訪問リハビリを実施すれば、しっかり収益を確保できます。

▼何となく始めて塩漬け状態の訪問リハビリ
訪問リハビリは、他の介護事業所と比較して人員基準や必要設備のハードルが低く、介護事業のなかでは一番設置しやすい事業所です。よって、 「数年前に患者さんの希望でスタートして、そのまま何となく続けている」 ケースも多くあります。また、場合によっては、入院・外来のリハビリ専門職が兼務していることも多く、法人のなかで 「事業所」 としての認識が薄く、赤字のまま塩漬けされているケースもあります。
しかし、いくら設置しやすくても事業は事業です。目標設定や事業計画を立てるなどのマネジメントは必須であり、赤字のまま継続していくのは難しいでしょう。
しかし、いくら設置しやすくても事業は事業です。目標設定や事業計画を立てるなどのマネジメントは必須であり、赤字のまま継続していくのは難しいでしょう。
▼何のためにやるかが重要
筆者は訪問リハビリの支援にあたっては、必ず経営陣に 「どこまでやりますか」 と決めていただくようにしています。訪問リハビリを始める目的は、 「退院患者のフォロー」 「通えなくなった外来患者の訪問リハへの移行」 もあります。また、リハビリ資源の少ない地域では、 「地域のために」 という目的もあるでしょう。しかし、最終的に赤字では事業の継続が難しく、やはり黒字で営業しなければいけません。
さらに、筆者の支援先では、リハビリ職3名で収益が月200万円を超えるリハビリ事業所もあり、収支差率は30%を超えています。よって、きちんとマネジメントしながら事業を成長させていけば、収益性の高い事業所になっていきます。
冒頭お伝えしたA病院もまさにその例です。事業開始前に綿密にシミュレーションしたり、地域のケアマネジャー向けの広報をしっかり行うことで、半年で空き枠が無くなるほど人気の訪問リハビリ事業所になりました。これからリハビリ専門職を増やしながら、利用者も増やし、さらに事業として発展させていく予定です。
【2024. 8. 15 Vol.598 医業情報ダイジェスト】
さらに、筆者の支援先では、リハビリ職3名で収益が月200万円を超えるリハビリ事業所もあり、収支差率は30%を超えています。よって、きちんとマネジメントしながら事業を成長させていけば、収益性の高い事業所になっていきます。
冒頭お伝えしたA病院もまさにその例です。事業開始前に綿密にシミュレーションしたり、地域のケアマネジャー向けの広報をしっかり行うことで、半年で空き枠が無くなるほど人気の訪問リハビリ事業所になりました。これからリハビリ専門職を増やしながら、利用者も増やし、さらに事業として発展させていく予定です。
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