介護施設
介護サービス事業者経営情報データベースシステムについて
意外と知らない介護経営のポイント
株式会社メディックプランニング 代表取締役 三好 貴之
令和7年3月が締め切りとなる 「介護サービス事業者経営情報データベースシステム(以下、介護経営DB)」 がいよいよ3月末で提出の締め切りとなります。
今までは、厚労省による3年に1回の介護事業経営概況調査が行われ、その結果をもとに事業種別の基本サービス費の上げ下げが決められていました。しかし、この介護事業経営概況調査は、自己申告制のアンケートであり、回収率も50%弱で、全体の経営実態を正しく把握するには限界がありました。
そこで、厚労省は、新たに介護事業者に経営情報データの提出を義務化し、データ収集を行い、より精度の高い経営実態の把握をしていこうということです。もし、介護経営DBの提出をしない場合は、提出の命令の行政処分を受けることになり、それでも提出しない場合は、介護保険法の違反として、指定の取り消しや期間を定めて事業の全部もしくは一部の停止という厳しい行政処分が科されます。
今までは、厚労省による3年に1回の介護事業経営概況調査が行われ、その結果をもとに事業種別の基本サービス費の上げ下げが決められていました。しかし、この介護事業経営概況調査は、自己申告制のアンケートであり、回収率も50%弱で、全体の経営実態を正しく把握するには限界がありました。
そこで、厚労省は、新たに介護事業者に経営情報データの提出を義務化し、データ収集を行い、より精度の高い経営実態の把握をしていこうということです。もし、介護経営DBの提出をしない場合は、提出の命令の行政処分を受けることになり、それでも提出しない場合は、介護保険法の違反として、指定の取り消しや期間を定めて事業の全部もしくは一部の停止という厳しい行政処分が科されます。
ほぼすべての介護事業者が対象
この介護経営DB提出の対象となるのは、居宅療養管理指導や総合事業以外のすべての介護事業種別の事業者です。ただし、①介護サービス収益が100万円以下、②災害などで報告できないといった正当な理由がある事業者に関しては、提出は免除されます。
また、特例的に今年度分の提出は令和7年1月~3月となるため、今月中にはデータの提出が必要です。さらに注意が必要なのは、報告が必要なのは、 「令和6年4月」 からではなく、 「令和6年3月31日」 からなので、年度末を決算日にしている事業者は、報告義務が発生します。
また、次年度以降は 「決算日から3か月以内」 の報告義務があるため、今年度分は 「3月末まで」 、そして、次の決算日が6月の場合は、その3か月後の 「9月まで」 となります。この介護経営DBは、この先、継続的に毎年実施するということですので、忘れないように注意が必要です。
また、特例的に今年度分の提出は令和7年1月~3月となるため、今月中にはデータの提出が必要です。さらに注意が必要なのは、報告が必要なのは、 「令和6年4月」 からではなく、 「令和6年3月31日」 からなので、年度末を決算日にしている事業者は、報告義務が発生します。
また、次年度以降は 「決算日から3か月以内」 の報告義務があるため、今年度分は 「3月末まで」 、そして、次の決算日が6月の場合は、その3か月後の 「9月まで」 となります。この介護経営DBは、この先、継続的に毎年実施するということですので、忘れないように注意が必要です。
手続きには一定期間を要する場合も
介護経営DBの提出は、オンラインにて行われます。そして、オンライン提出には 「GビズID」 を取得しなければなりません。この 「GビズID」 の取得方法は2種類です。法人代表者がマイナンバーカードを持っている場合は、そのままオンラインで即日IDを取得できます。逆に持っていない場合は、法人の印鑑証明書を郵送で送る必要があるため、IDの取得に1週間程度かかります。実際、筆者も郵送でやりとりしましたが、2週間経過してもメールが来なかったため、担当部署へ電話連絡しました。すると、その場で承認されて介護経営DBへの入力が可能になりました。
法人単位の提出でOK
本来、介護経営DBのデータ提出は、財務諸表のなかでも、 「貸借対照表」 と 「損益計算書」 になります。そのうち必須項目と任意項目があり、必須項目は、①介護事業収益、②介護事業費用(給与費、業務委託費、減価償却費、水道光熱費、その他費用)になります。複数の介護事業や介護保険外事業を経営している場合は、①介護事業収益は、事業所ごとで簡単に出せますが、②介護事業費用に関しては、家賃や光熱費などの按分作業が必要となり、大変な手間がかかります。また、提出する勘定科目が、社会福祉法人会計基準や病院会計準則、医療法人会計基準とは違うため、再計算も必要になります。特にこの3月を決算月にしている法人は多く、会計事務所などに依頼しても対応できないと言われる可能性があります。
よって、今年度の提出やすでに会計年度が進んでいる場合は、来年度の提出も含めて、 「必須項目だけを法人単位で提出」 するのが得策だと思います。
よって、今年度の提出やすでに会計年度が進んでいる場合は、来年度の提出も含めて、 「必須項目だけを法人単位で提出」 するのが得策だと思います。
実際に提出してみた感想
筆者の法人でも2月25日に提出しました。弊社の場合、介護事業は地域密着型通所介護の1事業所のみですので、30分くらいで入力は終わりました。弊社は、他に障害福祉事業やコンサルティング事業もやっています。よって、これらの費用の按分はかなり時間が必要であったため、 「必須項目だけを法人単位で提出」 しました。提出には、会計ソフトからデータを出して、それを介護経営DBに入力する方法もありますが、必須項目だけなら決算書を見ながら手打ちで入れてもさほど時間がかかりませんでした。介護経営DBやBCP(事業継続計画)も含めて、未実施の場合、行政処分対象になるような項目は、必ず運営指導の対象になります。よって、必ず3月末までに提出をしましょう。

【2025. 3. 15 Vol.612 医業情報ダイジェスト】

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