介護

【続き】訪問リハビリの運営をきちんとマネジメントする

何のためにやるかが重要
株式会社メディックプランニング  代表取締役 三好 貴之

▼何となく始めて塩漬け状態の訪問リハビリ

訪問リハビリは、他の介護事業所と比較して人員基準や必要設備のハードルが低く、介護事業のなかでは一番設置しやすい事業所です。よって、 「数年前に患者さんの希望でスタートして、そのまま何となく続けている」 ケースも多くあります。また、場合によっては、入院・外来のリハビリ専門職が兼務していることも多く、法人のなかで 「事業所」 としての認識が薄く、赤字のまま塩漬けされているケースもあります。
しかし、いくら設置しやすくても事業は事業です。目標設定や事業計画を立てるなどのマネジメントは必須であり、赤字のまま継続していくのは難しいでしょう。

▼何のためにやるかが重要

筆者は訪問リハビリの支援にあたっては、必ず経営陣に 「どこまでやりますか」 と決めていただくようにしています。訪問リハビリを始める目的は、 「退院患者のフォロー」  「通えなくなった外来患者の訪問リハへの移行」 もあります。また、リハビリ資源の少ない地域では、 「地域のために」 という目的もあるでしょう。しかし、最終的に赤字では事業の継続が難しく、やはり黒字で営業しなければいけません。
さらに、筆者の支援先では、リハビリ職3名で収益が月200万円を超えるリハビリ事業所もあり、収支差率は30%を超えています。よって、きちんとマネジメントしながら事業を成長させていけば、収益性の高い事業所になっていきます。

冒頭お伝えしたA病院もまさにその例です。事業開始前に綿密にシミュレーションしたり、地域のケアマネジャー向けの広報をしっかり行うことで、半年で空き枠が無くなるほど人気の訪問リハビリ事業所になりました。これからリハビリ専門職を増やしながら、利用者も増やし、さらに事業として発展させていく予定です。


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【2024. 8. 15 Vol.598 医業情報ダイジェスト】