組織・人材育成

【続き】マネジメントを目標管理の目標とする

病院の経営や運営はマネジメント力にかかっている
株式会社To Doビズ 代表取締役 篠塚 功

マネジメントを目標とすることでマネジメントを実践する

師長の目標を見ていると、アクションプラン(具体的な方法や時期)のすべてが、自らやることではなく、主任やスタッフにやってもらうことがスケジューリングされ書かれています。病棟の看護の質を高めるために、A主任に新しい勉強会を立ち上げてもらおうといった他力本願的な目標です。部署の目標であれば、これで十分ですが、師長個人の目標としては、問題ありと指摘してきました。なぜなら、人事評価に使う目標管理は、目標を立てた人が目標を達成したか否かを評価するわけですから、主任ができなかった、スタッフが失敗したから達成しなかったというような目標では、人事評価でいうところの内部条件(内部環境)の影響を受けすぎるので適切な目標とは言えません。また、師長がA主任に指示をすることは目標と言えるのでしょうか。指示を出すのは目標というよりも、師長の本来業務です。
しかし、師長が、看護の質を高めるために、今年は何をするかを考え、それを何名ものスタッフの力を結集して実行し達成するというマネジメントは大事なことです。また、そのスケジュールを立てることが、マネジメント力を身に付けることにもつながりますから、すべてを否定するわけではありません。先述のマネジメントの基本を意識して、どのように指示を出すのか、進捗管理を行う上で、どのようにスタッフと関わるのか、達成において特に力を入れるべき部分については、自らが率先垂範して行い、手本を示すといった自らやるべきことも書かれていれば、十分目標管理の個人目標として耐えられると考えます。今回送られてきた師長の目標を読むと、マネジメントを行うことを明言して目標とし、その中には、この部分については、自分が実行するということが明確に書かれている目標が散見され、毎年の研修効果を感じます。

【参考:リーダーのためのモチベーション・マネジメント(岩崎玲子、PHP研究所)】


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【2024. 8. 15 Vol.598 医業情報ダイジェスト】