介護施設
補正予算決定でどれだけ介護現場が反応するか
生産性向上よりも収入向上のほうがメリットを感じやすい
株式会社メディックプランニング 代表取締役 三好 貴之
12月12日に令和6年度の補正予算が可決され、介護分野の予算も多く盛り込まれました。
厚生労働関連では、 「医療・介護・障害福祉分野の生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げ等の支援」 に1,892億円の予算がつき、さらなる賃上げを掲げています。しかし、何もしなくても賃上げされるのではなく、事業所における介護ロボットやICT導入による生産性向上が要件となりそうです。これはまだ分かる話なのですが、それ以外にも 「地域の複数事業所における機器の導入に向けた研修」 「地域のモデル施設の育成」 、さらには、小規模事業者を含む事業者グループが協働して行う 「職場環境改善・人材募集や一括採用」 「合同研修等の実施」 「事務処理部門の集約」 など、事業所の枠を超えて生産性向上に努めるとしています。
厚生労働関連では、 「医療・介護・障害福祉分野の生産性向上・職場環境改善等による更なる賃上げ等の支援」 に1,892億円の予算がつき、さらなる賃上げを掲げています。しかし、何もしなくても賃上げされるのではなく、事業所における介護ロボットやICT導入による生産性向上が要件となりそうです。これはまだ分かる話なのですが、それ以外にも 「地域の複数事業所における機器の導入に向けた研修」 「地域のモデル施設の育成」 、さらには、小規模事業者を含む事業者グループが協働して行う 「職場環境改善・人材募集や一括採用」 「合同研修等の実施」 「事務処理部門の集約」 など、事業所の枠を超えて生産性向上に努めるとしています。
▼事業所を超えた生産性向上が可能か
確かに、一事業所だけで生産性を向上するよりも、多数の事業所が協力して生産性を上げたほうが良いのは分かります。しかし、果たしてそんなことが可能なのでしょうか。そもそも、介護サービスの供給過多地域では、利用者の取り合いが行われているため、他の事業所はいわば 「ライバル関係」 であり、とても協力関係を結べるとは思えません。今回の介護施設同士が連携して生産性を上げるというのは 「メリット」 を感じにくく、どこまで取り組みが広がるのかは不透明です。
実際に、通所・訪問リハビリ事業所が通所介護にリハビリ専門職を派遣し、個別機能訓練計画を立案する 「生活機能向上連携加算」 の算定率は、通所介護の事業所ベースで 「(Ⅰ)0. 0%、(Ⅱ)4. 8%」 しかありません。おそらく算定しているわずかな事業所も法人内連携が中心であり、他法人と連携しているケースはごく稀だと思います。また、ケアマネジャーと介護サービス事業所をオンラインで結び、利用実績や計画書のやりとりを紙ではなく、オンライン上でできる 「ケアプランデータ連携システム」 もほとんど普及しておらず、今後、なかば強制的に導入を促していかないと、普及は進まないと思います。
実際に、通所・訪問リハビリ事業所が通所介護にリハビリ専門職を派遣し、個別機能訓練計画を立案する 「生活機能向上連携加算」 の算定率は、通所介護の事業所ベースで 「(Ⅰ)0. 0%、(Ⅱ)4. 8%」 しかありません。おそらく算定しているわずかな事業所も法人内連携が中心であり、他法人と連携しているケースはごく稀だと思います。また、ケアマネジャーと介護サービス事業所をオンラインで結び、利用実績や計画書のやりとりを紙ではなく、オンライン上でできる 「ケアプランデータ連携システム」 もほとんど普及しておらず、今後、なかば強制的に導入を促していかないと、普及は進まないと思います。
▼ 生産性向上よりも収入向上のほうがメリットを感じやすい
一方、 「LIFE」 に関しては、令和5年11月27日の介護給付費分科会の資料によれば(図)、入所系で5~7割、居宅系で3~5割程度導入されており、徐々に普及してきていることが分かります。

生活機能向上連携加算やケアプランデータ連携システムが進まず、LIFEが進んでいるのは、やはり 「加算の収入が大きいから」 でしょう。
これから介護人材が不足し、介護現場の人手不足が問題になるのはよく分かりますが、 「生産性向上」 で乗り切れるとは現場レベルでは理解されていないでしょう。逆に 「生産性を上げることで、サービスが低下するのでは」 と懸念している介護経営者や管理者は多いと思います。一方、LIFEに関しては、科学的介護推進加算のLIFE本来の加算に加えて、 「加算の加算」 も多くあり、LIFEを導入することで収入が上がるというロジックが分かりやすいため、積極的に取り組む事業所が増えているのではないでしょうか。つまり、生産性を上げることはメリットとしては捉えにくく、単純に 「収入が上がる」 ほうが現場は動きやすいということです。
他にも最近、介護報酬改定で新設される加算のなかには算定率が低いものが多くあります。それは、もともと人員の多くない介護事業では、加算算定のための要因も少なく、また、 「手間ひまと加算の収入」 を天秤にかけて 「やるだけ損」 のような状態にあるからではないでしょうか。

生活機能向上連携加算やケアプランデータ連携システムが進まず、LIFEが進んでいるのは、やはり 「加算の収入が大きいから」 でしょう。
これから介護人材が不足し、介護現場の人手不足が問題になるのはよく分かりますが、 「生産性向上」 で乗り切れるとは現場レベルでは理解されていないでしょう。逆に 「生産性を上げることで、サービスが低下するのでは」 と懸念している介護経営者や管理者は多いと思います。一方、LIFEに関しては、科学的介護推進加算のLIFE本来の加算に加えて、 「加算の加算」 も多くあり、LIFEを導入することで収入が上がるというロジックが分かりやすいため、積極的に取り組む事業所が増えているのではないでしょうか。つまり、生産性を上げることはメリットとしては捉えにくく、単純に 「収入が上がる」 ほうが現場は動きやすいということです。
他にも最近、介護報酬改定で新設される加算のなかには算定率が低いものが多くあります。それは、もともと人員の多くない介護事業では、加算算定のための要因も少なく、また、 「手間ひまと加算の収入」 を天秤にかけて 「やるだけ損」 のような状態にあるからではないでしょうか。
▼通所リハの加算算定は 「限定的」
令和5年7月11日介護給付費分科会の資料では、通所リハビリで主に算定されているのは 「介護職員処遇改善加算」 「サービス提供体制加算」 「中重度ケア体制加算」 など体制加算が中心です。つまり、 「何かをやって得られる加算」 ではなく、職員配置や重症度割合で算定できるものです。その他、算定割合の高い加算は 「短期集中個別リハ加算」 「入浴加算」 といった昔からある加算と 「科学的介護推進加算」 です。その他の加算は、かなり算定率が低く、リハマネ加算でも算定率は1~2割程度で、8~9割の通所リハビリは未算定に終わっています。やはり、この算定率の低さも手間ひまと加算収入を天秤にかけた結果なのでしょう。
【2025. 1. 15 Vol.608 医業情報ダイジェスト】
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