組織・人材育成
組織の習慣と常識
目標達成型組織を作る
株式会社To Doビズ 代表取締役 篠塚 功医療機関のコンサルティングに入る前に、現在運用されている等級規程、賃金規程や賃金表、人事考課規程等を頂戴して読み込み、大変よく整備されていると感じる規程類や賃金表に出会うことがあります。しかし、時に、実際にコンサルに入ってみると、がっかりすることもあります。なぜなら、規程は無視され勝手な運用がされているからです。例えば、人事考課でB評価であれば4,000円昇給するという規程にも関わらず、2,000円といった運用がされている場合があります。これは、規程とは異なった運用が習慣化し、それが、組織の常識になっていると言えましょう。このようなことは、一歩間違えると、就業規則違反で訴えられるリスクがあります。
組織の習慣と常識は、組織風土とも言えるものです。誤った習慣や常識は見直さないと組織の存続を危うくします。また、業績を上げ続ける組織というのは、組織を強くする習慣や常識が備わっているものです。そこで、今回は、組織を強くする習慣や常識の醸成について考えます。
組織の習慣と常識は、組織風土とも言えるものです。誤った習慣や常識は見直さないと組織の存続を危うくします。また、業績を上げ続ける組織というのは、組織を強くする習慣や常識が備わっているものです。そこで、今回は、組織を強くする習慣や常識の醸成について考えます。
目標達成型組織を作る
20年以上前、某法人に部長として着任した際、その法人は中期的な目標を1度も達成したことがない状態でした。職員の意識は「目標は達成しないのが当たり前」であり、それが、その組織の常識になっていると感じました。法人や部署の目標は達成しないという悪い習慣がついてしまうと、組織の発展はまず期待できません。逆に、法人や部署の目標は達成するのが当たり前という習慣がつけば、組織は、必ず発展していきます。
そこで、着任した年は、若干強引な手法を使っても、目標数値を達成することに専念し、自分がリーダーとなって数値達成に邁進し、その年に目標を達成しました。この時に、少なくとも自分の部下たちの意識の中では、この部長の下では、立てた目標は必ず達成しなければいけないということが、組織の常識になったと考えます。
このようなことから、目標管理を徹底して行うことを推奨してきました。病院の事業計画達成へとつながる部署の目標を立て、病院の幹部や管理職が、率先垂範して、目標達成に向けて行動する必要があります。目標を立てたことや決めたことは、必ず実行する習慣を持ち、それが組織の常識にならなければなりません。決めたことは決めたのだけど、実行は別という常識を持っている組織では、計画や目標を立てることが、あまり意味がないものとなり、逆に、時間の無駄や職員の意欲の低下につながってしまいます。病院の幹部や管理職は、このことを肝に銘じ、自らが行動し汗を流し、計画や目標を達成しなければならないのです。
時に、職員が思い通りに動かなかった、医療制度に問題があった、そのため事業計画が未達成に終わったというように、他人や社会のせいにする幹部や管理職がいますが、まずは自分の行動をふりかえることが大事です。目標達成に向けて、自らが本当に努力したのかをふりかえり、幹部や管理職自らが変わることが、組織風土を変える第一歩となります。
目標や決めたことを実行するのは本来当たり前であるべきですが、最近はコロナ禍で、その実行が一層難しくなっているように感じます。コロナ禍で、達成できないことを何かのせいにすることが習慣にならないよう、今こそ気を引き締める必要があるでしょう。
そこで、着任した年は、若干強引な手法を使っても、目標数値を達成することに専念し、自分がリーダーとなって数値達成に邁進し、その年に目標を達成しました。この時に、少なくとも自分の部下たちの意識の中では、この部長の下では、立てた目標は必ず達成しなければいけないということが、組織の常識になったと考えます。
このようなことから、目標管理を徹底して行うことを推奨してきました。病院の事業計画達成へとつながる部署の目標を立て、病院の幹部や管理職が、率先垂範して、目標達成に向けて行動する必要があります。目標を立てたことや決めたことは、必ず実行する習慣を持ち、それが組織の常識にならなければなりません。決めたことは決めたのだけど、実行は別という常識を持っている組織では、計画や目標を立てることが、あまり意味がないものとなり、逆に、時間の無駄や職員の意欲の低下につながってしまいます。病院の幹部や管理職は、このことを肝に銘じ、自らが行動し汗を流し、計画や目標を達成しなければならないのです。
時に、職員が思い通りに動かなかった、医療制度に問題があった、そのため事業計画が未達成に終わったというように、他人や社会のせいにする幹部や管理職がいますが、まずは自分の行動をふりかえることが大事です。目標達成に向けて、自らが本当に努力したのかをふりかえり、幹部や管理職自らが変わることが、組織風土を変える第一歩となります。
目標や決めたことを実行するのは本来当たり前であるべきですが、最近はコロナ禍で、その実行が一層難しくなっているように感じます。コロナ禍で、達成できないことを何かのせいにすることが習慣にならないよう、今こそ気を引き締める必要があるでしょう。
360度評価と組織が求める習慣と常識の醸成
冒頭の就業規則といった規程や法令を守るという習慣は、組織を守る上で必要不可欠です。法令を守らないことが組織の常識になると、組織を守ることはできません。また、病院においては、診療上の取り決め事項など医療の安全に関わる様々なルールや規則も存在します。職員がこれらを守らないことが習慣化し常識となっては、質の高い医療など提供できなくなるでしょう。病院の幹部がお題目のように、病院の理念として、質の高い医療や患者本位の医療を行うと言っても、それに向けた職員の行動が習慣化し、組織の常識にならなければ、理念の達成は難しいと考えます。
達成のためには、病院の幹部や管理職が率先垂範して自ら必要な行動を取り、職員に示すことはもとより、職員みんなで意識し合うような仕組みを入れることも必要と考えます。すなわち、自院の理念を達成する上で必要かつ重要な行動を5~10項目程度共有し、その行動が取れているかいないかを、みんなで評価し合う360度評価を行ってはどうでしょうか。例えば、法令順守であれば「病院の規則やルールを守っている」、患者本位の医療であれば「患者さんのことを最優先に考え行動している」、協力し合う組織を作りたいのであれば「組織の一員として、他職種の業務を理解し、連携・協働している」といったことを評価してはどうでしょう。これらをお互いに評価し合う仕組みは、周りの大勢の目を意識することで、そのような行動を自然に促し、習慣化し、その組織にとって当たり前の行動にしてくれます。
病院幹部や管理職が期待する行動や目標達成が習慣化し常識となる時、組織は強くなり発展していくことでしょう。
【2022. 9. 1 Vol.551 医業情報ダイジェスト】
達成のためには、病院の幹部や管理職が率先垂範して自ら必要な行動を取り、職員に示すことはもとより、職員みんなで意識し合うような仕組みを入れることも必要と考えます。すなわち、自院の理念を達成する上で必要かつ重要な行動を5~10項目程度共有し、その行動が取れているかいないかを、みんなで評価し合う360度評価を行ってはどうでしょうか。例えば、法令順守であれば「病院の規則やルールを守っている」、患者本位の医療であれば「患者さんのことを最優先に考え行動している」、協力し合う組織を作りたいのであれば「組織の一員として、他職種の業務を理解し、連携・協働している」といったことを評価してはどうでしょう。これらをお互いに評価し合う仕組みは、周りの大勢の目を意識することで、そのような行動を自然に促し、習慣化し、その組織にとって当たり前の行動にしてくれます。
病院幹部や管理職が期待する行動や目標達成が習慣化し常識となる時、組織は強くなり発展していくことでしょう。
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2024-11-06「疑義解釈資料の送付について(その14)」を追加しました
2024-11-05
「疑義解釈資料の送付について(その13)」を追加しました
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「「長期収載品の処方等又は調剤の取扱いに関する疑義解釈資料の送付について(その3)」の一部訂正について」を追加しました。
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