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能力開発目標のポイントと重要性
目標設定と進捗管理
株式会社To Doビズ 代表取締役 篠塚 功先日、SNSを見ていたら、目標管理による人事評価の導入後、多くの業務改善に取り組んだ結果、取り組むことがなくなり、人事評価のために無理に目標を立てなければならなくなったことが1番の退職理由だという方がいました。
目標管理の基本として、「部署目標からブレイクダウンされた目標であり、業務改善に資するものでなければならない」ことが一番に挙げられます。
このようなことから、能力開発目標は認めない病院もありますが、あまり目標設定に制限を加えると、取り組むべき目標がなくなってしまったという話も決して大げさとも言えません。また、自らの業務に関わる能力を開発するということは、部署目標の達成や業務改善に資することにならないわけがありません。そこで、今回は、能力開発目標の立て方のポイントとその重要性について考えます。
目標管理の基本として、「部署目標からブレイクダウンされた目標であり、業務改善に資するものでなければならない」ことが一番に挙げられます。
このようなことから、能力開発目標は認めない病院もありますが、あまり目標設定に制限を加えると、取り組むべき目標がなくなってしまったという話も決して大げさとも言えません。また、自らの業務に関わる能力を開発するということは、部署目標の達成や業務改善に資することにならないわけがありません。そこで、今回は、能力開発目標の立て方のポイントとその重要性について考えます。
目標の種類と能力開発目標のポイント
目標の種類には、数値目標、アウトプット目標、行動目標の3種類があります。数値目標は数値を上げることなどを目標とするもので、例えば、人事課員であれば新卒看護師の採用を8名から10名に増やすといった目標を言います。アウトプット目標は、成果物を作り出すような目標を言います。例えば、人事課員が就業規則を1月までに見直すといった目標です。そして、行動目標は一般的には進捗目標やスケジュール目標と言い、計画通りに物事を実行する目標を言います。例えば、人事課員が新卒者の採用に向けた病院説明会を8月に開催するといった目標です。
能力開発目標で割と目にするのは、ある能力を高めるために6月と8月の研修会に参加するといった行動目標や、年度内に某認定資格を取得するといったアウトプット目標です。研修会への参加ばかりを目標にされても費用だけがかかり、それだけでは成果は見え難いと思われますし、資格取得は大事ですが、毎年新たな資格を取り続けることなどできません。したがって、能力開発目標は、実際に、その能力を発揮してもらい、発揮度が周りから見えるような目標を立ててもらうことが重要です。そして、発揮度が周りから見える目標であれば、業務改善に資する目標であると考えます。
例えば、「多職種カンファレンスがスムーズにいくように、ファシリテータースキルを学び、10月以降スタッフの意見を引き出す効果的な運用ができるようになる」といった目標は、ファシリテーションスキルを身に付ける能力開発目標であり、実際にファシリテーターとして、スタッフの意見を引き出せるようになったかは、周りから見えるわけですから、このような目標であれば、能力開発目標でよいと考えます。
なお、この目標の種類としては、スキルを身に付けた自分(成果物)が出来上がるという意味で、アウトプット目標でよいでしょう。これと同じようなアウトプット目標で実際に目にするものとして、臨床検査技師がある部位のエコー検査ができるようになるという目標があります。心エコー、下肢動静脈エコー等々一部位が自立してできるようになるには、かなりの訓練が必要と聞きます。これらの能力を身に付けてもらえれば、検査数も増え、明らかに病院の収益に貢献できるわけですから、能力開発目標とは言え非常に重要だと考えます。
能力開発目標で割と目にするのは、ある能力を高めるために6月と8月の研修会に参加するといった行動目標や、年度内に某認定資格を取得するといったアウトプット目標です。研修会への参加ばかりを目標にされても費用だけがかかり、それだけでは成果は見え難いと思われますし、資格取得は大事ですが、毎年新たな資格を取り続けることなどできません。したがって、能力開発目標は、実際に、その能力を発揮してもらい、発揮度が周りから見えるような目標を立ててもらうことが重要です。そして、発揮度が周りから見える目標であれば、業務改善に資する目標であると考えます。
例えば、「多職種カンファレンスがスムーズにいくように、ファシリテータースキルを学び、10月以降スタッフの意見を引き出す効果的な運用ができるようになる」といった目標は、ファシリテーションスキルを身に付ける能力開発目標であり、実際にファシリテーターとして、スタッフの意見を引き出せるようになったかは、周りから見えるわけですから、このような目標であれば、能力開発目標でよいと考えます。
なお、この目標の種類としては、スキルを身に付けた自分(成果物)が出来上がるという意味で、アウトプット目標でよいでしょう。これと同じようなアウトプット目標で実際に目にするものとして、臨床検査技師がある部位のエコー検査ができるようになるという目標があります。心エコー、下肢動静脈エコー等々一部位が自立してできるようになるには、かなりの訓練が必要と聞きます。これらの能力を身に付けてもらえれば、検査数も増え、明らかに病院の収益に貢献できるわけですから、能力開発目標とは言え非常に重要だと考えます。
目標設定と進捗管理
先述のファシリテータースキルを学ぶという目標の手段・方法・時期を次のように計画したとします。
- カンファレンスのファシリテーター役を務められるよう、A主任の実践を見て覚えるとともに書物等で学習する(6月末迄)
- カンファレンスのファシリテーター役を毎月担い、終了後A主任からフィードバックを受けて実践を修正する(7月~9月)
- スタッフの意見を引き出し、発散・収束のスキルを活用してカンファレンスを円滑に運用することができる(10月以降随時)
この目標はアウトプット目標で、10月以降カンファレンスでスタッフの意見を引き出せていれば評価はできます。
しかし、このような場合、手段・方法・時期を具体的に書いていないケースが見受けられます。目標設定時に、上司は具体的な手段・方法・時期を確認しなければ、目標が達成できるか見当もつきませんし、本人も、具体的な計画を立てて、それに沿って取り組むことで目標達成に近づくはずです。
さらに、この計画に沿って進捗状況を報告してもらえると進捗管理もしやすくなります。例えば、面接等で、①の学習が日常業務に追われて滞っていることが分かれば、上司は学習ができるようなサポートも可能なはずです。
目標管理において、能力開発目標の設定も可能とし、アウトプット目標として、能力が備わった状態を明確に示しておくことと、そのための具体的な計画を立てることで、能力開発が達成され業務の質も上がることと考えます。
【2024. 7. 1 Vol.595 医業情報ダイジェスト】
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