保険薬局
採用戦略を考える。なぜ中途薬剤師の応募がないのか。 ~内的要因編~
店舗の情報発信力の弱さによる内的な要因
株株式会社ウィーク シニアコンサルタント 長谷川 周重なぜ中途薬剤師の応募がないのか、今回は内的要因編です。
中途薬剤師の応募がない原因は、外的な要因もあるものの、一番の問題は、会社、店舗の情報発信力の弱さによる内的な要因が大きい。自社、採用店舗の魅力をしっかり発信することができれば、それに共感し働いてみたいと期待を膨らませることができる。これは、求人広告でも人材紹介会社に依頼する際も共通して言えることである。安易にハローワークに求人を出すだけ、人材紹介会社に依頼するだけというのは、直ぐに止めたほうが良い。
もしあなたが転職活動をする立場で、自社の求人を見た時に、それは応募したい、働いてみたいと思える内容になっているだろうか。おそらくそのようになっていないケースが多いと思う。どうすれば良いのかわからない場合は、独学で調べるか、求人広告会社や人材紹介会社にバイスをもらってみると良い。
情報発信が不十分であるケースとして、以下の5つがある。
中途薬剤師の応募がない原因は、外的な要因もあるものの、一番の問題は、会社、店舗の情報発信力の弱さによる内的な要因が大きい。自社、採用店舗の魅力をしっかり発信することができれば、それに共感し働いてみたいと期待を膨らませることができる。これは、求人広告でも人材紹介会社に依頼する際も共通して言えることである。安易にハローワークに求人を出すだけ、人材紹介会社に依頼するだけというのは、直ぐに止めたほうが良い。
もしあなたが転職活動をする立場で、自社の求人を見た時に、それは応募したい、働いてみたいと思える内容になっているだろうか。おそらくそのようになっていないケースが多いと思う。どうすれば良いのかわからない場合は、独学で調べるか、求人広告会社や人材紹介会社にバイスをもらってみると良い。
情報発信が不十分であるケースとして、以下の5つがある。
- ホームページがない
- ホームページはあるが作りっぱなしでかなり古く、スマホに対応していない
- ホームページはあるが採用ページがない
- 求人票は必要最低限の情報しか記載していない
- 会社全体の魅力は伝えているが、募集店舗の情報はほぼない。
このご時世、求職者がインターネットで調べることは当たり前で、ほとんどの求職者が一度はチェックしている。その基本的な求職者の行動に即していない採用戦略の企業が多々ある。
昨今は、インターネットの普及により消費者の購買行動が変わった。【図】をご覧頂きたい。1920年代にサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した消費者の購買行動プロセスA IDM A(アイドマ)から始まり、その後、インターネットの普及が拡大し2000年初期に検索と共有の概念に変更したA ISAS(アイサス)。さらに比較、検討を加えた、AISCEAS(アイセアス)というプロセスが提唱されて現在に至っている。
行動(Action)の部分を中途薬剤師の応募に置き換えると、求職者は求人の認知から始まり、比較・検討を経て応募に至ることが容易に理解ができるだろう。薬剤師の皆様には、機序という言葉がわかりやすいかもしれないが、採用にもメカニズムがあり、流れに逆らわず準備することが採用の近道である。少しでも競争優位に立って中途採用を進めるのであれば、まずは、応募の前の攻略が必要不可欠である。
それが準備できたら、応募後の共有(Share)についても意識して取り組んでいくことが大切である。AIDMA時代と違い、情報の発信・受信方法が大きく変わり、個人レベルの意見が入手しやすくなった。そのため、SNSを始めとする口コミが集まりやすくなり、良い評判も悪い評判も入手し易い時代となった。是非、良い評判が広がる企業、店舗作りを目指して欲しい。
自社のホームページ・採用ページの状態を確認して欲しい。そして、4、5はそれをさらに良くするための中身・内容である。ホームページの必要性については多くを語らないが、求職者のみならず、患者や業者などのステークホルダーに対して、企業や店舗の情報発信媒体になるため、こちらの準備が不十分である場合は、まずはここから始めることをお勧めする。私は、様々な業界、企業をみているが、薬局業界はビックリするくらい不十分な会社は多い。逆に言えば、作るだけで簡単に優位な差別化をすることができるのでメリットは大きい。
「どうせ、ホームページなんて作ったって応募は来ないし変わらないよ。時間の無駄、お金の無駄だよ」と思う方は従来のままで結構である。少しでも前進、改善をして取り組んでいこうと思う方は、是非準備をして頂ければ幸いである。実は、ホームページの作成や維持コストは、ピンキリではあるものの驚くほど安くなっている。
一昔前なら数百万円はし、さらにランニングコストが重荷になっていたはずだ。しかし、今やそれなりのものを無料で作ることができ、更新や修正が簡単に自分でできる。ランニングコストも抑えられるサービスもある。もし、月額メンテナンス料としてサーバー費用や管理料等で5,000円以上を支払っていることがあれば早々に検討しても良いかもしれない。いまだに、2万、3万円を払っている企業も多く存在すると思う。また、採用ページ、採用管理システムも無料で準備できる時代だ。もちろん有料版もあるのだが、無料版でも十分なクオリティがある。それを知っているか、知らないか、やっているか、やっていないかで大きな差が生まれる。1人でも多く貴社が希望する、質の高い中途薬剤師の応募が来て、採用の成功を願う。
【2022.8月号 Vol.315 保険薬局情報ダイジェスト】
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