組織・人材育成

【続き】渋沢栄一の言葉から目標管理の出発点について考える

計画を立て明確にする必要性
株式会社To Doビズ 代表取締役 篠塚 功

目標管理において計画の前にやるべきこと

夢七訓は、次のような言葉で始まります。 「夢なき者は理想なし、理想なき者は信念なし、信念なき者は計画なし」 。すなわち、計画を立てる前に、夢を持つ必要があるわけです。以前、某法人で、ビジョンを語るという研修を行った際、ある介護老人保健施設の施設長が 「日本一だと言われるような施設」 にするというビジョンを語ってくれました。ビジョンは夢よりも具体的なものですから、次のように具体的な将来の姿を語ってくれました。
①職員が皆、常に笑顔で楽しそうに働き、利用者さんたちも笑顔でのんびり暮らしている。
②在宅復帰率が50%を超え、そのサービスの手法に対し、利用者さん・家族から喜びの声をいただいている。
③皆の努力が実り、経営的にも順調に成長している。
④人材難の中、当施設には、優秀な人材が常に集まっている等々、日本一の施設をイメージする姿を具体的に語っていました。
このような夢やビジョンがあるからこそ、そのビジョンに向けた目標や目標達成のための具体的な計画を描くことができるのだと考えます。人事評価のために目標値を書き、その達成のために具体的な計画を書かなければならないのではなく、日本一だと言われる施設にしたいといったビジョンがあって、目標を立てて頑張るということにならなければならないのだと考えます。

目標管理において、PDCAサイクルを回すという話を普段はしていますが、前職で働いている時には、マネジメントサイクルを 「See→Plan→Do」 で考えろという指導を受けました。すなわち、計画を立てる前に、現状等を把握し分析した上で、計画を立てる必要があるからです。
組織を任された責任者は、組織のビジョンを語り、ビジョンの達成に向けて、自らの目標を立て、その目標を達成するために、現状等を把握・分析し、具体的な計画を立て、その実行をコミットし実行していくことができなければならないと考えます。


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【22024. 9. 15 Vol.600 医業情報ダイジェスト】