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みんなで決めたはずなのに・・・

日頃のスタッフとのコミュニケーションが重要
株式会社メディフローラ 代表取締役 上村 久子
全国的に梅雨入りのニュースと異常な大雨のニュースが錯綜する中で、この連載を書いております。診療報酬改定はもちろん、外部環境が変わることで院内のさまざまな業務フローなどを検討せざるを得ない状況は日常茶飯事ですね。
さて、今回は変化せざるを得ない状況で 「全員で話し合い、意見をもらったはずなのにどうしてこうなった・・・」 と嘆くリーダーのお話をご紹介いたします。

ケース:

海に面していない内陸の県にある在宅医療専門のクリニックのお話です。このクリニックではニーズの高まりから業務の急激な拡大や人員の入れ替えがあり、シフトを見直す必要が出てきました。というのも、スタッフは一生懸命に働いてくれる方ばかりではあるものの、家庭の事情や本人の体調等によりクリニックの望むような勤務体系で働くことが出来ない場合は、やむなく退職せざるを得ない状況であることを鑑みたこのクリニックの院長先生の決断でした。

シフトの変更は当然スタッフに大きく影響します。そこで院長先生はスタッフを集めて会議を開き、シフトを見直すことについてスタッフの意見を聞くことにしました。
その会議はスタッフから意見が出なくなるまで十分に時間を取って行われました。スタッフからは意見がたくさん出されたため 「活発な意見交換が出来た」 と院長先生は感じたとともに、その会議で結論が出たことで 「 『みんなで決めた』 という形が得られた」 ととても安心されたと言います。

ところが!後日新しいシフトでの勤務になるとスタッフからの不満が爆発。話し合いの内容と実際はスタッフにとって大きく異なっていたようです。新しいシフトに対する不平不満にも耳を傾けていた院長先生は、その都度改善できるものは対策を取っていきました。
ある日、院長先生は 「院長先生がいない場面で院長先生の悪口を言っている」 という話を耳にします。
それは、患者・家族から 「スタッフの人が言っていたのだけど・・・」 という院長先生を心配しての声掛けの場面での出来事でした。

院長先生 「私はみんなにとってより良いクリニックを目指して行動してきたつもりです。全員で意見を出せる環境を作り、みんなで話し合って決めたことなのに不平不満ばかり・・・。先日、不平不満を言うスタッフに対してカンファレンスで 『みんなで決めたよね?』 と言ってさらに不満げにさせてしまいました。どうしたら良いやら・・・」

このケース、どのような感想を持ちましたか?


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【2024. 7. 15 Vol.596 医業情報ダイジェスト】